- 販売開始日: 2019/12/26
- 出版社: 柏書房
- ISBN:978-4-7601-4911-7
パリのすてきなおじさん
難民問題、テロ事件、差別の歴史……。 世界は混沌としていて、人生はほろ苦い。 だけどパリのおじさんは、今日も空を見上げる。 軽くて、深くて、愛おしい、おじさんインタビュー...
パリのすてきなおじさん
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商品説明
難民問題、テロ事件、差別の歴史……。 世界は混沌としていて、人生はほろ苦い。 だけどパリのおじさんは、今日も空を見上げる。 軽くて、深くて、愛おしい、おじさんインタビュー&スケッチ集
中島京子さん推薦! 「パリは人種のるつぼ、おじさんのサラダボウルだ。 読めば21世紀の隣人の姿が浮かび上がり、 クスクスも赤ワインも、より味わい深くなる。」
★推薦の言葉
<推薦のことば>
中島京子さん(作家、『小さなおうち』『ゴースト』)
「パリは人種のるつぼ、おじさんのサラダボウルだ。
読めば21世紀の隣人の姿が浮かび上がり、
クスクスも赤ワインも、より味わい深くなる。」
栗原康さん(政治学者、『村に火をつけ、白痴になれ 伊藤野枝伝』『死してなお踊れ 一遍上人伝』)
「こんにちは、アンジェリーナ・ジョリーです。パリのおじさんは名言をはく。
「ギャンブルしない人間は信用できない」。「人生を学んでいるあいだに手遅れになる」。
生きることはギャンブルだ。いま死んでもいい、そう思えることしかやっちゃいけない。
人生に地図なんてない、学ぶな。木をみず、森をみず。いくぜ、ミスター無責任。チンチン!」
井上哲也さん(大垣書店高槻店・副店長)
「金井真紀さんの言霊(ことだま)には、街の鼓動、人の息吹を感じさせる魔力がある。
頁を開いた瞬間、まるでその場に居合わせているかの如く、眼前にパリの街並みと粋で面白いおじさん達の姿が広がる。 どこから読んでも、楽ししいし、どの掌編も珠玉。
本当にさらっと読めちゃううのだけど、奥底には、現在のパリ、いや世界が抱える深淵なテーマが潜んでいたりする。
パリのおじさんも恰好良いけど、一番すてきなのは言葉の魔法使い〈金井真紀〉だと大阪のおじさんは思うよw」
伊藤詩織さん(ジャーナリスト、『Black Box』)
「登場するおじさんの多くは地位や人種と関係なく、
それぞれの人生、自分自身を受け入れています。そして他人と違うことを恐れていません。
日本も男女問わずそういう人が増えればいいなと思います」
星野智幸さん(小説家、『俺俺』『呪文』『のこった もう、相撲ファンを引退しない』)
「ヘビーな経験も軽やかな生き方も、金井さんの筆にかかると、等しく豊かな人生として描かれる。誰の人生でも価値は同じなんだな、という真実を実感させてくれる吟遊の書。」
安田浩一さん(ジャーナリスト、『ネットと愛国』『ルポ 外国人『隷属』労働者』)
「すてきなおじさん」の話を通して、パリの様々な風景が浮かび上がってきます。
街の豊かな表情が見えてきます。弾んだ声が聞こえてきます。せつない息遣いも響きます。
おじさんたちの知恵と信念と生きざまが、パリに色彩を与えています。
金井真紀さんの味わい深い文章とスケッチで、読者はきっと、これまで知らなかったパリを「発見」することができるはずです。」
飯間浩明さん(国語辞典編纂者、『小説の言葉尻をとらえてみた』)
「昆虫採集のよう、と言ったら取材対象に失礼だろうか。金井さんによる「パリのおじさん採集」。集められたおじさんの実例を眺めていくと、パリそのものが分かり、フランスの現状がどうなっているかも臨場感を伴って伝わってくる」
★「王様のブランチ」「朝日新聞」「NHKラジオ」などで紹介!
NHKラジオ「かれんスタイル」 金井真紀ゲスト出演(2018/11/16)
朝日新聞 折々のことばで紹介(11/22付朝刊) 日経新聞 陣野俊史氏による書評掲載(11/30夕刊)
HONZ 鰐部祥平氏による書評掲載(12/8)
週刊新潮 東えりか氏による書評掲載(12/7発売号)
週刊金曜日 石井千湖氏による書評掲載(12/8発売号)
ダ・ヴィンチニュース ガンガーラ田津美氏による書評(12/28)
週刊女性 南陀楼綾繁氏による著者インタビュー掲載(12月/年末合併号)
anan 瀧井朝世による書評インタビュー掲載(2018/1/12発売号)
毎日新聞 著者インタビュー掲載(1/14)
J-WAVE「RADIO DONUTS]
金井真紀出演(2018/1/15放送)
プレジデント 伊藤詩織氏による著者インタビュー掲載(1/15発売号)
2nd 渡辺祐氏による書評掲載(2018年3月号)
NHKラジオ「すっぴん! 」 金井真紀・広岡裕児出演(1/22)
日経ビジネス 河野通和氏による書評(1/22発売号)
TBS系「王様のブランチ」で特集(2/17放送)
目次
- はじめに(金井真紀)
- 第1章 おしゃれなおじさん
- 白と黒にこだわる絵描き/イタリアに通う弁護士/十着しか服を持たない男/アフリカ人街のか
- つら屋/LGBTセンターのボランティア
- <ちょっと寄り道>カルチェ・ラタンの古本屋
- 第2章 アートなおじさん
- 旅するギター作家/下町の彫金師/小劇場の喜劇役者/モンマルトルの老画家
- <ちょっと寄り道>フリーメイソン博物館
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洒落たルックスの本にして、中味は深く広く。
2020/05/26 21:53
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:タオミチル - この投稿者のレビュー一覧を見る
洒落た装幀が際立っていて「わっ!おしゃれな本!」と手に取りましたが、読んでみれば、描かれた世界は、深く、広くて、思いがけず、パリの街から世界の縮図を眺めることになりました。著者の二人が、このインタビューのために費やした時間は2週間だそうですが、たったそれだけの取材期間で、出逢えたおじさんたちのルーツ、アイデンティティ、シゴト、ライフスタイルetc…バリエーションの豊富さにまずは驚く。そして昨今の難民問題やテロ事件。移民の歴史から派生する、差別の歴史…読み進むうち、自分が知らなかったことの多さに眩暈すら感じました。
タイトルとファッション雑誌のイラストのような装丁からは、想像できない「おじさんの生き様から世界を見る」深い本だった
2019/03/16 13:26
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くりくり - この投稿者のレビュー一覧を見る
ただ者ではないパリのおじさん大集合。おじさんの紹介はそのままフランスという国の有り様を紹介するものとなっている。
パリという土地柄なのだろう。ミラノで服をオーダーするおじさんもいれば、10着しか服を持たずにユニクロを愛するあまりユニクロで働くおじさんもいる。どちらも洒落者だ。ちなにに「ミラノ」のおじさんは「ピエ・ノワール」だ。直訳すると「黒い足」。かつて植民地だったアルジェリアに住んでいたという意味らしい。著者は「日本で言うなら満州引き揚げ者か」と例える。他人がピエ・ノワールとその人を呼ぶときは、差別的意味合いを含むという。アルジェリア戦争が終わったのは1962年。
アフリカ人街のダンディなおじさんは、コンゴ出身の「鬘屋」。自分の髪質にコンプレックスを抱くアフリカ出身者用の鬘を商っている。しかし、このおじさんは地毛のショートヘアの女の子が好きという。それは、アフリカを恥じないということにつながっているのではないだろうか。
生粋のパリッ子はもとより移民など人種のるつぼのパリの様子がよくわかる。
2015年パリの同時多発テロで130人がなくなり300人が負傷した。フランスのかつての植民地からの移民やシリアからの難民などが実行犯だった
日本であったらテロ後、移民・外国人の排斥が起きてもおかしくないだろう。
しかし、ユダヤ人など移民の歴史が連綿と続いてきたヨーロッパ、パリは、いまも外国出身者が歴史を作っている。第二次世界大戦でホロコーストを経験したユダヤ人のおじさんは「人は変わることが出来る」と語る。
差別もあるが懐も深い。難民支援をしているおじさんは「世界は救えない。ただ一人の人間に向き合うだけ」と活動を続けている。本書の最終章「いまをいきるおじさん」は、いろいろな出自を持つおじさんの来し方が語られる。移民の多いパリの魅力が溢れる。
その他、アートなおじさん達もパリならではだ。小劇場の役者のおじさんは、演劇だけで生活している。日本だったら貧乏役者のアルバイト生活となるだろう。しかしフランスでは、映画、演劇、キャバレーで働くフリーランスに最大月1600ユーロの失業手当が最大6カ月出る。表現者を大切にしているあかし。
「パリのすてきなおじさん」はそのタイトルとファッション雑誌のイラストのような装丁からは、想像できない「おじさんの生き様から世界を見る」深い本だった。
言われるほど深い本でもないが良作
2020/02/29 22:11
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ライサ - この投稿者のレビュー一覧を見る
大学でフランス学科だった身としてはこのくらいのことを普通に話してくれるフランス人教師も沢山いたし、本の面でももっと深い内容の本は多くあるのも事実
とはいえ結構読み応えもあったしフランスを学べば学ぶほど嫌いになった身としても若干のフランス嫌いが改善された本でもある
芸術は経済に蹂躙された。ピカソは出世志向の強い嫌な奴だったから成功した
人生を学んでいるうちに手遅れになる。同じ意見ばかりではつまらない
フリーメイソン博物館とカトリックの対立
食事の際のワインは酒気帯び運転にならぬ。イスラム教とイスラム主義は違う
テクニックを隠し、食材を生かすことのみ考えろ
料理でも愛でも早いのはいけない。料理は芸術。芸術と職人
なお書店ではこの本は女性向けエッセイにカテゴライズされている
私は男性だが女性にとってはもっと評価が高くなるのかもしれない
すてきなおじさんがいっぱいです
2021/07/12 12:15
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ろみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
いろんな職業、生い立ちのおじさんの話が載っています。
どのお話も深く考えさせられます。新しい見方が得られたり、社会問題についてリアルな話を知ることも出来るのでオススメです。