[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

Android 2.2だからといって『Flash Player 10.1』が動くわけではない

Android 2.2だからといって『Flash Player 10.1』が動くわけではない

Android端末でパソコンと同様にFlashコンテンツを再生可能にする『Flash Player 10.1』。国内では10月にソフトバンクが『HTC Desire』でAndroid 2.2へのアップデートを実施、NTTドコモが2.2搭載の『GALAXY S』を発売し、11月にはソフトバンクが『HTC Desire HD』、ドコモが『GALAXY Tab』を発売したほか、本日12月17日にはソフトバンクが『GALAPAGOS 003SH』を発売。『Flash Player 10.1』対応端末が増えてきています。Android 2.2搭載の端末は今後増えていきますが、必ずしも2.2搭載だからといって、『Flash Player 10.1』が動作するとは限らないことに注意が必要です。

「Android 2.2端末だから『ニコニコ動画』が再生できる!」というのは早とちり。米Adobe Systems社のFlashプラットフォーム主席プロダクトマネージャーであるMike Chambers氏へのインタビュー( https://getnews.jp/archives/89172 )でも触れているように、米Adobe社は『Flash Player 10.1』の動作環境として、OSにAndroid 2.2とCPUに『ARMv7-A』以上で、ベクター浮動小数点演算(FPU)がハードウェアで実行可能なことと記載しています。日本のアドビ システムズのサイトではもう少し詳しく、VGA環境では「専用Cortex A8 550MHz アプリケーションプロセッサー+A8専用Neon、Hardware Vector FPU」、WVGA環境では「専用Cortex A8 550MHz アプリケーションプロセッサー、Hardware Vector FPU」と記載されています。

『Adobe MAX RETWEET』で発表されたスマートフォンのチップセット

記事冒頭に挙げた端末は、『Snapdragon』の『QSD8250/QSD8650』以降の世代となるCPUを搭載しているので、すべてこの動作環境を満たしています。2.1から2.2へアップデートが予定されているドコモの『LYNX 3D SH-03C』『REGZA Phone T-01C』、auの『IS03』『IS04』、2.2を搭載して発売されるauの『IS05』『IS06』、ソフトバンクの『GALAPAGOS 005SH』についても動作環境を満たすと考えられます。アドビが11月に開催したイベント『Adobe MAX RETWEET』では、ブログ『cuaoar.jp』( http://cuaoar.jp/ )を運営する上条彰宏氏の講演で、国内のスマートフォンに搭載されるチップセットの資料を公開しており、この場でも挙げられている上記の端末は対応可能とみてよいでしょう。タブレット端末のソフトバンク『DELL Streak SoftBank 001DL』、au『SMT-i9100』も、『Flash Player 10.1』に対応します。

では、2.2搭載端末でも『Flash Player 10.1』が動かないのは、どのような端末なのでしょうか。この冬から春にかけて発売されるAndroidスマートフォンには、普及モデルといえる低価格な端末がいくつか発売され、これらは『ARMv7-A』以前のCPUが搭載されている可能性が高いのです。具体的には、イー・モバイルが発売した『HTC Aria』は、携帯電話向けの『Flash Lite』は搭載するものの、CPUは『Qualcomm MSM7227』という『ARMv6』世代であるため、『Flash Player 10.1』は非対応。同じCPUを搭載すると報じられている『Optimus chat L-04C』も、同様に非対応とみられます。

メーカーがCPUを公開していないため、不明なのがイー・モバイルの『Pocket WiFi S(S31HW)』、ソフトバンクの『SoftBank 004HW』『Libero SoftBank 003Z』。いずれもエントリーモデルという位置づけとみられるため、動作しないことが予想されます。メーカーはサイトやカタログにCPUの情報を載せないことが多いので、一般ユーザーが対応端末を判別するのは難しいといえます。

ここで、『Flash Player 10.1』が動作するかどうかを確認できる方法をアドバイス。店頭で実際に動作する端末を使える場合、『Androidマーケット』で『Flash Player』を検索しましょう。Adobe Systemsがデベロッパーとして表記された『Flash Player 10.1』が検索結果に表示されない場合、『Flash Player 10.1』は利用できません。

さらに、『Flash Player 10.1』が動作しない端末は、Flashをベースに開発されたアプリを実行する『AIR for Android』も動作しません。アプリの選択肢が狭まることを理解しておいた方がよいでしょう。

●まとめ
○『Flash Player 10.1』が動作する端末
・ドコモ
GALAXY S
GALAXY Tab

・ソフトバンク
HTC Desire
HTC Desire HD
GALAPAGOS 003SH

○今後OSのアップデートにより『Flash Player 10.1』が動作するようになる端末
・ドコモ
LYNX 3D SH-03C
REGZA Phone T-01C

・au
IS03
IS04

○今後発売される2.2端末で『Flash Player 10.1』が動作するとみられるもの
・au
IS05
IS06
SMT-i9100

・ソフトバンク
GALAPAGOS 005SH
DELL Streak SoftBank 001DL

○『Flash Player 10.1』が動作しない2.2端末
・イー・モバイル
HTC Aria

・ドコモ
Optimus chat L-04C

○不明
・ソフトバンク
SoftBank 004HW
Libero SoftBank 003Z

・イー・モバイル
Pocket WiFi S(S31HW)

一般ユーザーが分かりづらい現状を解消するために、アドビには今後発売予定の端末を含む対応端末リストの公開が早期に望まれるところです。ちなみに、ガジェット通信でも『HTC Aria』で『Flash Player 10.1』が動くと勘違いして購入してしまった記者がいます。買う前に相談してくれればよかったのにね。

スクリーンショット:『Androidマーケット』より引用
写真:『Adobe MAX RETWEET』において記者が撮影

Flash Player 必要システム構成(アドビ システムズ)
http://www.adobe.com/jp/products/flashplayer/systemreqs/

■関連記事
“Mobile is Here.” 米アドビ社のプロダクトマネージャーがFlashプラットフォームのスマートフォン展開を語る
FlashのAndroid対応に注目集まる アドビが最新技術とトピックを紹介するイベント『Adobe MAX 2010 RETWEET』開催
全機種最新のAndroid 2.2 を搭載 ソフトバンクがAndroidスマートフォン5機種とタブレット1機種を発表
ドコモの2010~2011年冬春モデル発表 Androidスマートフォンは『LYNX 3D SH-03C』『REGZA Phone T-01C』『Optimus chat L-04C』の3機種
CMにレディー・ガガを起用して大攻勢! KDDIが『Android au』の新スマートフォン『IS04』『IS05』『IS06』を一挙発表

  1. HOME
  2. デジタル・IT
  3. Android 2.2だからといって『Flash Player 10.1』が動くわけではない

shnsk

宮原俊介(エグゼクティブマネージャー) 酒と音楽とプロレスを愛する、未来検索ブラジルのコンテンツプロデューサー。2010年3月~2019年11月まで2代目編集長、2019年12月~2024年3月に編集主幹を務め現職。ゲームコミュニティ『モゲラ』も担当してます

ウェブサイト: http://mogera.jp/

TwitterID: shnskm

  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。