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なんか小さくて可愛い子がいたから連れて帰って食べた結果【イトヒキアジ】

みなさま、背ビレと尻ビレがビヨ~ンと長い、とってもラブリーなお魚を見たことはありますでしょうか?

そう、イトヒキアジです。

安定的にまとまって獲れる魚ではないので、スーパーなどでは滅多に出会えませんが、魚屋の地魚・未利用魚コーナーには結構いたりします。

先日行きつけの魚屋「海鮮市場マルモト」(神奈川県伊勢原市伊勢原1-3-37)で地魚・未利用魚コーナーを漁っていたら

イトヒキアジの幼魚いたぁぁぁああああ!! あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”かんわいいぃぃぃいいいいいい!!!!!!!!

幼魚の水揚げは成長乱獲(成魚になって卵を産み子孫を残す機会を奪うこと)に繋がってしまうので心が痛むのですが、イトヒキアジの幼魚は定置網漁(魚を根こそぎ獲ることのない環境にやさしい資源管理型漁業)でもかかってしまうようですね。

なんにせよすでに水揚げされてしまったこの子はもう海には戻れないので、有難く家に連れて帰って感謝を持って食べたいと思います!

イトヒキアジを捌く

イトヒキアジの幼魚・若魚はウニョ~ンと伸びた背ビレ・尻ビレと、ひし形の体系が特徴です。

▲アジ科の魚はみんな劇画みたいな顔してて、シュールでつい笑ってしまうのは私だけでしょうか?

大人になるにつれて背ビレ・尻ビレは短くなり、体は横に長くなり長方形になっていきます。

1メートルぐらいまで成長するので、大きな成魚の姿は圧巻ですね!

内臓は胸ビレのすぐ後ろのところにあるので

胸ビレの手前を通るように袈裟切りにして頭を落とし、内臓をかき出して掃除します。

あとは普通に3枚におろしていきます。

皮は透明で、手でピーっと剥けます。この皮引き作業が楽しい♪

では頂いてみましょう!

イトヒキアジの素揚げ

塩をふって油でカラッと揚げてみました。

姿揚げだと残酷に見えてあまり食欲がわきませんね……でも食べます(・н・)パクッ

見た目は個性的だけど、味は王道の白身魚です!

それも最上類の部類の味!!

身はしっとりしてて、骨から良い出汁が出るのか、旨みがとても濃くて美味しいです!

全くクセがなく、タラの上位互換といった感じで、万人受けする味わいです!

ただし背骨・中骨が硬くしっかりしているので、頭から骨ごとバリバリ食べようとすると口の中がズタボロになってしまいます。

焼き魚のように骨から身をはがして食べましょう。

イトヒキアジの刺身 

血合いが濁ったような色をしていますね。

イトヒキアジはどうも個体差の激しい魚のようで、中には新鮮でもこのように血合いがあまり美しくない子もいるみたいです。

味は……正直美味しくはないかな(・ω・;)

アジ科の魚なので、さぞかしうま味が濃いのだろうと思いきや全然……

とにかく味が薄いのです。

水分量が多くてコリコリトロっとした食感なのですが、味がないからこの水っぽさが余計に気になってしまい、食感も好き嫌いが分かれそうです。

そして刺身だと水槽っぽい独特の臭みがある……これはちょっと食べるのがキツイぞ。

臭みに関しては全く臭くない個体も多いようですが、食味に関しては「刺身だと水っぽくて味がない」が多く共通している評価です。

イトヒキアジの風味には個体差があるとはいえ、刺身では真価を発揮しずらい魚なのかもしれません。

ちなみに3~4日寝かせても味がなかったので、熟成させてもうま味が出るタイプの魚ではないようです。

イトヒキアジの炙り

皮目をさっと炙ってみました。

イトヒキアジは加熱したほうが断然美味しいです!!

生の部分は相変わらず無味ではあるものの、炙った皮目から旨みが出てきて、刺身よりも美味しさが大幅アップしました!

炙った皮目からはカツオ出汁のような深みのある風味も出てたので、イトヒキアジは加熱してこそさまざまなうま味が開花し、本来の美味しさが楽しめる魚なのかもしれません。

イトヒキアジの評価

私はまだ大型のイトヒキアジを食べたことがないので、今後また評価が変わる可能性がありますが、小型のものを何尾か食べた感想としては

「刺身だと美味しくない。でも加熱するとめちゃくちゃ美味しい魚に化ける。」

です。

イトヒキアジは値段がとても安くて冒険しやすい魚ですので、見かけたらぜひ購入して色んな食べ方を試してみてください!

※画像は全て筆者撮影

海鮮市場マルモト
https://www.0-to.com/[リンク]

(執筆者: ゆずくん)

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