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2013.05.07

アマゾンの外国人労働者をネオナチが恫喝…
明るみに出た「非人道的」な労働環境

労働者を収容する施設で、外国人がネオナチの監視下に〔PHOTO〕gettyimages

 ネット通販の最大手、アマゾン・ドット・コムのドイツの配送センターで働く外国人労働者が、ネオナチと思しき警備員から虐待されている――。ドイツの公共放送局が2月に放映したドキュメンタリー番組が、同国で大きな波紋を呼んでいる。

 ドイツのアマゾンは、失業率の高い東欧やスペインからの派遣労働者を大量雇用している。彼らが寝泊まりする安宿の秩序維持の名目で契約していたのが、番組で告発された警備会社だ。「へス・セキュリティ」という社名からして、ナチスの副総統ルドルフ・ヘスを連想させる。

 同社の警備員は、黒い制服にブーツという出でたちで、頭髪はミリタリーカット。極右の代名詞といわれるブランド「トール・シュタイナー」の服を着る者もいる。そんな男たちが、ポーランドやハンガリーから来た労働者を「ここでは俺たちが警察だ」と恫喝していたのだ。

 一日中監視され、不在時には家捜しされ、ただでさえ安い給料をピンハネされる。濡れた服をヒーターで乾かしただけで宿を追い出された者もおり、労働者たちは怯えきっていた。

エクスペルト(ロシア)より

 番組放映後、アマゾンには批判が殺到。同社は、ヘス・セキュリティは直接契約ではなく下請け会社との契約だったと釈明したうえで、この警備会社との契約を解消すると発表した。

 アマゾンにとってドイツは米国に次ぐ市場で、国内7ヵ所に配送センターを有する。ある倉庫では3000人を超す臨時雇用の外国人が働いているが、常勤の従業員はわずか200人。劣悪な労働条件で奴隷のような扱いを受けている外国人労働者が、同社を支えているのだ。

COURRiER Japon

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