あの『脳外科医 竹田くん』モデル医師、ついに「実名顔出し報道」へ…!「ドリルで神経を切断された」患者家族が明かす「手術前の異様な言動」
半年あまりで「医療事故8件」
2023年1月から同7月までネット上で連載されていた、マンガ『脳外科医 竹田くん』。手術やカテーテル治療で失敗を重ね、患者の死亡や後遺障害といった事故を繰り返す外科医の姿をリアルに描いて、医療界内外で大きな話題となった。
この漫画の「モデル」とされる医師の松井宏樹被告(46歳)が2024年12月27日、業務上過失傷害の罪で在宅起訴され、各メディアは実名・顔出しでの報道に切り替えた。
松井被告は、2019年7月から2021年8月まで兵庫県赤穂市にある赤穂市民病院の脳神経外科に勤務。着任してわずか半年あまりで、8件の医療事故(うち3件は死亡事故)に関与した。
そのうち、2020年1月に脊柱管狭窄症の手術を受け、ドリルに神経を巻き込まれて下半身が不自由になった74歳女性(当時)とその家族が、2023年11月に松井被告を刑事告訴していた。
女性の家族は今回、松井被告の在宅起訴を受けて自身のブログを更新し、次のようにコメントした。
〈2020年1月22日に赤穂市民病院で母の医療過誤を起こした医師が、本日、業務上過失傷害罪で正式に起訴されました。
医療事故は立件や起訴へのハードルが非常に高いと言われる中、母の医療事故を刑事事件として丁寧に捜査してくださった兵庫県警刑事部捜査第一課特殊犯係と赤穂警察署、検察庁の皆さまに心より感謝申し上げます。
二度と母のような医療被害者を生むことがないよう、執刀した医師を厳罰に処していただき、医療過誤を起こした医師が繰り返し手術したり不適切な診療を続けることのないよう、医道審議会には厳しい行政処分を下していただけますよう強く望みます。〉
一般的に、脳神経の手術のような高度な医療行為に関して、医師が起訴されることはきわめて異例だ。松井被告のケースは、ほかの医療事故の調査・捜査や医療過誤裁判にも大きな影響を及ぼす可能性がある。
「週刊現代」「現代ビジネス」編集部は2024年3月以降、松井被告の執刀や治療を受けた患者やその家族、病院関係者、さらに松井被告本人にも直接取材を行い、詳細な事実関係を報じてきた。事件の概要について、ここで改めて振り返ってみよう。