全国1位のカリスマ風俗嬢・まりてん。
しかしきらびやかな現在とは裏腹に、彼女の幼少期は新興カルト宗教にハマった母親から数々の制約を押しつけられる苦難の日々の連続だった。「清廉潔白であれ」という教義に抗う形で、大学進学を期に夜遊びをはじめた。様々な男性と関係を持っていくうちに、ピロートークで吐き出される「ドロッとした本音」にこそ本来の「人間らしさ」が詰まっていると感じ、風俗業界に自ら身を投じるようになった…。
彼女がどのような人生を歩んできたのか。初めて明らかになる「カリスマ風俗嬢の過去」と「風俗業界のリアル」を、処女作『聖と性 私のほんとうの話』から抜粋してお届けする。
『聖と性 私のほんとうの話』連載第13回
『背中には和彫りの刺青…デリヘル嬢になった女子大生が初めて体験した“夜の世界”の恐ろしさ』より続く
「まりてん」の由来
私の風俗嬢としての源氏名は「まりな」です。後に店長を務めるようになって「まりてん」と呼ばれはじめ、現在は「まりてん」の名で活動していますが、この「まりてん」も、そもそも「まりな店長」の略なのです。
「まりな」は、最初に働きはじめたそのデリヘル店でつけられました。面接のときに「源氏名、何がいい?」と聞かれたのですが、「何でもいいです。お任せします!」と答えたら、初出勤日にそのお店のサイトで「まりな」として在籍が載っていました。
自分で希望を伝えるのも何だか恥ずかしくて、私の自我を表に出すより、スタッフさんにつけてもらったほうがうまくいくのではないかと思ったのです。
ところが、最初にサイト上で「まりな」の名が自分についているのを見たときは、自分的には古いというか落ち着きすぎている印象があって、大人っぽすぎて「嫌だなぁ」と思いました。
その後何年も使う名前になるとは、そのときは思ってもいませんでした。