2025年1月にメジャーデビューするアイドルグループ『Rain Tree(レインツリー)』は多くのアイドルを成功させてきた秋元康氏が総合プロデュースを担当する。すでに、2025年元日から特別番組『Rain Treeの「Re」』(文化放送)のパーソナリティが決定し、八ヶ岳連峰最高峰・赤岳(2899m)を登頂するドキュメンタリー番組(CSファミリー劇場)も制作された。リアルやオンラインで、イベントも多数開催され、周囲の期待の高さも伝わってくる。

撮影/大橋友樹

その17人のメンバーは15歳から26歳までと幅広い。その中にひとり、現役で難関国立大に合格し、アイドルデビューの両方を実現した人がいる。それが加藤柊さんだ。インタビュー前編では、「勉強が好き」という加藤さんがアイドルを目指した経緯と難関高校の受験のときのエピソードをお伝えする。

秋元康プロデュースの17人の中「勉強が好き」

秋元康さんがプロデュースするアイドルグループ『Rain Tree(レインツリー)』。公式サイトを見ると、「これぞ正統派の日本のアイドル」という清楚な雰囲気の女性たちが17人並ぶ。彼女たちには一体どんな個性があるのだろう。それぞれのSNSを開いていくと、好きな食べ物、ダンスやイラストなどの特技が並んでいる。手が止まったのは、加藤柊さんのXアカウントだ。そこには「お勉強が好き」とあったのだ。語学が堪能だったり、難関資格を保有するアイドルもいるが、勉強好きを明言する人は少ない。

インタビュー会場に入ってきた加藤さんは、笑顔が優しく、目に強い光を宿す、凛とした雰囲気の女性だった。国立難関大学進学のために4月に上京して8ヵ月、大学とアイドル活動で、毎日が充実していると、柔らかい笑顔を見せる。「お勉強が好き」と書いた背景を質問した。

Photo by Kazuyuki Ebisawa
 

「それは、勉強が私の道を切り開いてくれたからです。加えて、勉強の努力は、とても報われやすいです。自分の中に知識を蓄え、その使い方を身体感覚で掴むうちに、いろいろな問題が解けるようになります。これが面白いですし、楽しいんです。
でも、アイドルの活動は“正しい努力とそのやり方”のセオリーがありません。自分で考えて、行動するしかないんです。努力してもうまくいかないこともあるから、やりがいがあり、楽しい。これらに取り組めるから、毎日が本当に幸せです」