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「闇土葬」が行われている…〈ムスリム土葬墓地不足問題〉在日イスラム教徒向け霊園経営者が懸念する「最悪の事態」

近隣住民の「本音」

いまや日本に住むムスリムは約34万人ともいわれるが、人口増加とともに深刻な問題になっているのが墓不足だ。ムスリムは宗教上の理由で土葬を望むが、火葬率が99.9%を超える国内には土葬可能な墓地は少なく、ムスリムを受け入れている土葬墓地は全国でも10ヵ所程度しかない。 

埼玉県本庄市にある本庄児玉聖地霊園は、ムスリムの土葬を受け入れる霊園のひとつだ。前編記事『「無断で死体を埋められた」「お金を払ってくれない」…ムスリム土葬墓地経営者が明かす、墓不足の「実態」と当事者の「深刻な悩み」』に引き続き、霊園を管理する早川壮丞さん(77)にムスリム向け土葬墓地不足の「実態」と当事者としての「本音」や「悩み」を聞いた――。

ムスリム区画の入口にはアラビア語の看板が立つ

ムスリムの土葬墓地を設置するには地元住民の理解が欠かせない。丘陵の頂上にある本庄児玉聖地霊園の場合、周囲には工場や太陽光パネルがあるだけで民家はなく、早川さんは「ムスリムの土葬受け入れについて住民からの強い反対は特になかった」と話す。

無機質な太陽光パネルが墓地を取り囲む
 

近隣住民にも聞いた。

「霊園がある場所ではかつて産業廃棄物の不法投棄が続き、近くの遊水地の水質が悪くなったことがあった。環境への影響という点では産廃問題に比べればまだましだと考えています。霊園に向かうため夜中に白い服を着た外国人が乗った車が何台も通るのは気味悪いが、埋葬されるのはあくまで民家のない場所なので」

一方、本庄市役所の担当者はこう話した。

「市民の方から問い合わせというか、心配の声があるのはたしかです。ただし、土葬については経営者・管理者の方が判断するものであり、行政としてはいいともダメともいう立場ではありません」

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