ネットで叩かれるColabo「公金チューチュー」とは何か…大手メディアが報じられない事態の本質を明かす
若年女性支援とはいっても
1月23日から通常国会が始まった。会期は6月21日までの150日間だ。
本コラムで書いてきたように、防衛増税を巡る自民党内の攻防は水面下で行われている。5月19~21日に開かれるG7広島サミット後、政局の予感がする。そのテーマは増税の是非であろう。
そこで、今日のコラムでは、増税議論の際には必ず出てくる公金の無駄使いの議論を紹介しよう。ネット上では、「公金チューチュー」などといって話題になっている話だが、女性支援関連のテーマだからか、大手マスコミや地上波ではほとんど扱われていない。
今回の騒ぎの発端は、若年女性支援団体に対して東京都が支出した委託料に関する住民監査請求だ。気骨ある一般男性により行われた。監査委員は請求の一部が妥当ではないとする一方、「本件精算には不当な点が認められ、その限りで本件請求には理由がある」として、2月28日までに都に経費の再調査を求めるなどとしている。
この事業は「若年被害女性等支援事業」というものだ。2018年度から国が「様々な困難を抱えた若年女性については、自ら悩みを抱え込み、問題が顕在化しにくく、公的な支援につながりにくいといった側面が指摘されている」として「公的機関と民間団体とが密接に連携し、個々のケースに応じたきめ細かな支援を行う仕組みを構築する」ことを目的に開始された。実施主体を都道府県等としてそのモデル事業を開始し、2021年度から国が当該事業の本格実施を開始し、これに併せて都が実施主体となり実施しているものである。この経緯から分かるように、国からの発案事業だ。
今回の監査請求結果が昨年12月28日付けで結果が通知され、今年1月4日に公表されている。そこでは若年女性支援団体は一般社団法人Aとされているが、一般社団法人Colabo(代表理事・仁藤夢乃)であることは、当事者のネット上の発言から明らかだ。
住民監査請求とは、地方公共団体の住民が当該団体の職員の違法又は不当な財務会計上の行為などについて、これを是正し、住民全体の利益を守ることを目的とする制度だ。
ただし、監査請求が行われても、要件不備や請求内容に根拠がないとされる場合がほとんどであり、請求内容が要件を満たしかつまともで監査委員が行政に勧告することは全体の5%程度しかない。今回も勧告ではないが、再調査を東京都に求めたというのはかなり珍しい。
監査結果を見ると、たしかに多くの事項で請求人の主張は退けられているが、通常のものと比べて東京都側が押し込められている印象だ。特に、税理士など会計関係者にはかなり手厳しい。この種の団体の会計監査ではかなりの会計関係者がいるはずだが、今回の監査結果で肝を冷やした人は少なくないだろう。類似団体での会計監査も変化するかもしれない。