2020.12.30
# 新型コロナウイルス
日本“格差”の真実…じつは「国」のせいでも「自己責任」のせいでもなかった!
「共助」を分厚くすべき時だ若者の自殺が増えている…
コロナ禍の中、厳しい状況に置かれる人が増加しています。
警視庁の統計によれば、2020年10月の自殺者数は全国で2153人にのぼり、これは過去5年間で最も多い水準です。内訳を見ると、昨年10月は男性1073人、女性466人でしたが、今年10月は男性1302人、女性851人で、増加率は男性が21.3%、女性は82.6%。女性が急増しています。また、私が支援しているNPOやNGOの方々からは、「8月頃から若者の自殺が増えており、特に中高生の女子生徒が目立つ」という話も聞きます。
このような状況になってしまっている理由の1つは、20歳未満の子どもたちが直接、社会福祉制度による支援を受けるのが難しいことにあります。
若年層の女性がコロナで危機に直面している photo/iStock
困窮する人々を支える公的な制度は生活保護などさまざまありますが、原則として、子どもは保護者を通じてこれらの支援を受ける仕組みになっています。生活に困窮して精神的に追い詰められた親が、子どもに愛情を注ぐ余裕を失って育児放棄のような状態に至れば、公的支援が子どもに届かなくなってしまうのです。
実際、セーフティーネットからこぼれ落ち、食事も満足に食べさせてもらえずにいる子どもがたくさんいます。