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ゲームソフト大手6社の2013年3月期の決算が出そろい、本業の儲けを示す営業利益が前の期に比べて改善したのは、6社中2社だった。とりわけ「アイドルマスター」や「機動戦士ガンダム」、「ワンピース」など保有するIPを活用したソーシャルゲームで「GREE」や「Mobage」で上位を席巻するバンダイナムコホールディングスが40%を超える営業増益となるなど他社を圧倒し、一人勝ちといった様相となった。一方、減益もしくは赤字となった4社は、いずれもスマートデバイスやオンラインコンテンツへの対応を強化する方針だ。
[大手ゲームソフト6社の業績]
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(注1)コナミはSEC基準のため、経常利益はない。
(注2)前期比で%表記のないものは前期実績である。
(注3)△は赤字であることを示す。
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■バンダイナムコホールディングス<7832>
売上高7.3%増にとどまったものの、営業利益は40%増の486億円となった。玩具事業が不振だったものの、ソーシャルゲームが好調だった。「機動戦士ガンダム」シリーズ、「ワンピースグランドコレクション」、「アイドルマスターシンデレラガールズ」などのソーシャルゲームがけん引した。家庭用ゲームソフトでは、国内外で「ソウルキャリバー」、「ナルト」、「テイルズ オブ」、「ワンピース」などの人気シリーズの最新タイトルも貢献。
■コーエーテクモホールディングス<3635>
売上高が2.5%減ったものの、営業利益が7.8%増となった。オンライン・モバイルゲーム事業が減収・減益となったものの、主力の家庭用ゲームソフトが好調だった。「真・三國無双7」や「DEAD OR ALIVE 5」などのナンバリングタイトルに加え、「真・北斗無双」や「ワンピース 海賊無双2」、「ポケモン+ノブナガの野望」収益拡大に寄与した。経常利益は18%増となったが、前期にあった有価証券評価損や為替差損が減少したことによる。
■セガサミーホールディングス<6460>
売上高が18.7%減、営業利益が67.3%減となった。これはサミーを中心とする遊技機事業の販売台数が減少したことによるもの。ゲームソフトを中心とするコンシューマ事業は、営業赤字が前期151億円から7億円に減少した。前期に実施した欧米での構造改革の効果が出てきた。『龍が如く5夢、叶えし者』がヒットしたほか、『ファンタシースターオンライン2』や『ドラゴンコインズ』、『Kingdom Conquest2』、『運命のクランバトル』などスマートフォンアプリをリリースした。
■コナミ<9766>
売上高及び営業収入が前期比15.0%減、営業利益は46.6%減だった。家庭用ゲームソフトやソーシャルゲームなどを展開するデジタルエンタテインメント事業が減収減益となったほか、パチスロ機の販売がずれ込んだことが主な要因。「METAL GEAR RISING REVENGEANCE」や「プロ野球スピリッツ2013」が貢献したほか、「ドラゴンコレクション」などソーシャルゲームの主力タイトルは安定した収益を確保した。
■スクウェア・エニックス・ホールディングス<9684>
売上高が15%伸びたものの、営業赤字となった。欧米で発売した家庭用ゲームソフトの大型タイトルの販売が伸び悩んだことに加え、アミューズメント機器の販売が不振となったことが主な要因。ブラウザゲーム「戦国IXA」や、Mobage「ファイナルファンタジーブリゲイド」、「拡散性ミリオンアーサー」など、オンラインコンテンツが好調だった。
■カプコン<9697>
15%の増収となったものの、営業利益が17.6%減となった。アミューズメント機器の売り上げが大きく伸びたものの、デジタルコンテンツ事業の収益性が悪化したことが主な要因。『ドラゴンズドグマ』がミリオンセラータイトルとなったものの、『バイオハザード6』の伸び悩みや、『モンスターハンター4』の発売延期が影響した。またソーシャルゲームのタイトルを増やしたことで、オンラインコンテンツの売上が伸びた。