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新作歌舞伎 ファイナルファンタジーXを観劇しに行った話②:RTA目線編

 

後編です。テイストがかなり違うので分割しました。
前編はこっちです↓

今回の歌舞伎が休憩込み9時間(休憩含まないと7時間)であり、
まるでRTAみたいと前評判がすごかったので後編では本当のRTA走者の目線で攻略推移をざっくり見ていきます。

歌舞伎の余韻を台無しにされたくない方はここから先は見ないほうがいいかもしれません。

開幕~ビサイド村

開幕からバージ・エボンのシーンをスキップするグリッチが使われていました。
※グリッチとは:所謂バグ技と呼ばれているものです

本来ティーダはスピラに飛ばされる際、ビサイド島へ直接ではなく、一度バージ・エボン寺院を経由していますが、初手でシンの行動を調整することで行き先をビサイド島に変更していたようです。
このバージ・エボン寺院スキップグリッチによって最序盤から27分近いタイム短縮が行われています。

歌舞伎、序盤から圧倒的ハイペースです。

さらに試練の間をスキップして直接祈り子の部屋前まで移動するグリッチも小さいながら小技の光る場面となっていました。

 

キーリカ島

ビサイド島を出てキーリカに向かう間の連絡船:リキ号。

ここではシンのヒレ戦とシンのコケラ:エキュウとの戦闘がありますが、なんと戦闘する間もなくキーリカ島が襲撃。
ティーダを船から落とさないようにすることでエキュウ戦もそのままスキップしていました。

歌舞伎、抜かりがありません。

リキ号を降り、異界送りが終わった後に第一幕が終了します。

 

ルカ

第二幕開始と同時に突然ルカに到着します。

そうです。異界送り終了からキーリカ寺院~ウイノ号のスキップグリッチが行われています。ここは私も完全に虚をつかれました。
本来はウイノ号で行われる会話を、歌舞伎では事前にキーリカ行きのリキ号で行っていたのです。
このため、ウイノ号のシーンを映す必要が無かったのです。この船シーンのスキップはかなりの短縮です。

歌舞伎、なかなかの策士です。

反面、ルカでのブリッツボールではゴワーズに1点入れられてしまう展開となったため、オーラカは2点入れる必要がありました。ここはタイムロス観点からかなり痛手であったと思います。しかしブリッツボールの試合表現、凄まじかった。ワッカかっこよすぎ。

そしてルカでの戦闘も一段落してシンの正体が親父であるジェクトであることが明かされます。ここのティーダは原作に負けず劣らずの素晴らしい名演技でしたね。笑顔の練習のシーンのまとめ方もかなりの高評価です。さらりと笑う時間を短くすることによりここのシーンのタイム短縮を図っており、小技が光っておりました。

 

ミヘンセッション

ミヘンセッション前といえば、any%RTAでは有名な4大スキップの内の1つにして本作最高難度を誇る「ミヘンスキップ」があります。本来は一部ムービーをスキップするグリッチです。

※参考映像

これはミヘン街道の一部のイベントシーンをスキップするグリッチですが、歌舞伎版のミヘンスキップはなんとミヘン街道の前半そのものをスキップしてきました。

歌舞伎、スキップのスケールが違います。

なお、ミヘン・セッションでシンのコケラ:ギイは出てこないため、そもそも自爆のラーニングも不要でした。

 

ジョゼ街道~グアドサラム

本来ジョゼ街道を通った後はジョゼ寺院攻略後でないと幻光河に行けないですが、直通ルートをこじ開けることによりミヘンセッション後、幻光河直行ルートをとっています。現実でもこのルート、やりたい。

歌舞伎ルート、羨ましいです。

ちなみにユウナが小さい頃、シパーフから河に転落してシパーフに助けてもらったことからわざと河に落ちるようになったという話が原作でキマリから語られます。
これを汲み取ってか、歌舞伎では舞台側でティーダ、ワッカ、ルールーが話している間、舞台の脇でユウナが河の底を見ようとするのをキマリが必死に抑えるというちょっとした一コマがあってほっこりしました。


この会話はメインとは直接関わらないのですが、演技でさらっと表現していたのは驚きです

少し脱線しましたが、幻光河を渡ったタイミングでリュックが参戦します。なんと歌舞伎ではリュックがアルベド族であることをこの時点でワッカに明かされてしまいます
しかし、ここであえてアルベド族であることを明かしておくことでマカラーニャ湖のイベントのカット及び会話の圧縮に成功しています。

その後グアドサラムに到着し、異界に入る直前で2時間半。速い、圧倒的速度です。

 

雷平原~マカラーニャ寺院

さて書いたはいいものの、グアドサラムを出ると一瞬でマカラーニャの森にワープするので雷平原はカットです。
通常、この後控えてるウェンディゴ戦に備えて事前に「光のカーテン」というアイテムを雷平原で確保する必要があるのですが・・・あ、ウェンディゴいないことになってました

マカラーニャの森でジェクトのスフィアを見るやいなや、マカラーニャ寺院に直行します。バックドアか何かがあったのかもしれません。
また、リュックがアルベド族であることを事前に明かしていたため、あえてアルベド族との衝突を避けている点も抜かりなしです。

マカラーニャ寺院に到着したらいよいよシーモアとの最初の戦いです。通常のRTAの場合、ティーダを主軸に置いた戦術で進めますが、歌舞伎ではなんとパーティ全員で戦います。ここまでまともに戦闘を行っていないため、各キャラクターの成長具合が心配されるとこではありますが、そこは仲間との絆で乗り切っていきます。
最後には召喚獣を4体同時に召喚する新しいグリッチも披露されました

召喚獣は一体ずつしか呼べない、という制約はストーリー上には存在しないため、うまくここの抜け道を利用しました。

歌舞伎、なかなかの戦略です。

最後にマカラーニャ寺院の真下でシンに飛ばされるところで前編が終了します。
ここまでで3時間半。この区間では育成の関係上、シーモア戦に時間がかかった形となりましたが、
演出が最高だったので問題ありません

 

ビーカネル島~飛空艇

折り返し地点です。通常であればサヌビア砂漠で散り散りになった仲間と合流しつつ、アルベドホームに向かいます。しかし、歌舞伎では事前にシンの行動を乱数調整しておくことによりアルベドホームに直接降り立ちます。

そして一行は飛空艇に乗り込み、いざエボン教総本山のベベルに向かいます。
躍動感のある飛空艇シーン、最高です。ベベルの守護獣:エフレイエなんていなかった。

また、歌舞伎では飛空艇からベベルに降り立つ際、直接シーモアとユウナのいるところへ最短で着地することにより僧兵との戦闘をスキップしています。不用意に人間を殺さない、そして不要な戦闘を避けることによるタイム短縮。非常に理にかなっています。

歌舞伎、華麗な立ち回りです。

しかしここで大きなミスをしてしまいます。
シーモアとユウナのキスシーンをスキップできませんでした

本来のRTAでは飛空艇から飛び降りる少し前にスキップ状態を仕込んでおくことで、本来カット不可のシーモアのキスシーンを飛ばすことができるのですが、今回はさすがにスキップできませんでした。タイム的には厳しいものの、シーモア役が尾上さんであったため、精神ダメージは抑えられたので一旦良しとします。

 

ベベル~マカラーニャの森

結婚式が終わった後、ユウナ達一向は捕まりますが、その後ストーリーに沿って、浄罪の路及び浄罪の水路に連れて行かれます・・・といったタイミングでまさかのキノックが殺害されます
本来であれば各々が浄罪の路と水路を攻略後にキノックは殺されてしまうのですが、早期タイミングでキノックを退場させることで浄罪のまるごとスキップに成功しています。

歌舞伎版キノック、あまりにも不憫です

さらにこの後、通常であればシーモア異体戦へと繋がりますが、なんとこの戦闘をとんずらでやり過ごしています。たしかによくよく考えるとこのシーン、別に無理して戦う必要はないのでここでとんずらを切る発想には走者も再び虚つかれる形となりました。
個人的には原作側のキマリが身を呈して皆を逃がすと思いきや、みんなキマリを見捨てられずに戻る、という↓のシーンが好きなのですがこれはこれでいいのかもしれません。

そしてマカラーニャの森に退避後の素敵だね。あまりにも素敵でした。
マカラーニャの森のムービースキップに失敗していますがもはやウイニングランなので余裕の全編再生です。タイムなんて関係ないね。

 

ナギ平原~ガガゼト山

ナギ平原ではIHIステージアラウンド東京のギミックを利用した歩行演出によりガガゼト山まで渡り歩いていきます。

ちなみにこのシーンで個人的に少し印象的だったのが、かつてルールーがガードを務めたズーク先生がベベルからわざわざユウナ達一向を心配してナギ平原まで様子を見にくるシーンです。

一通りのやり取りを終えた後、ズーク先生は退場し、ティーダとルールーが会話をするのですが、退場時、ユウナがズーク先生に対して「ありがとうございました」とお礼を言いつつ見送るシーンが脇で行われていたのです。

このワンシーン、実はユウナのセリフは会場マイクにのらないのでSS席でないと聞き取るのが大変困難ではあるのですが、マイクにのらずともしっかり細かなシーンも取り入れているのは素晴らしいと思いました。こういったシーン他にも沢山あったのですが全部を拾い上げることができませんでした。頼む、円盤出してくれないか?

 

ガガゼト山に着くと有名なキマリは通さないのシーン。ビラン、エンケ戦に突入します。
エフレイエの戦闘をスキップしていることと、ナギ平原での戦闘回数が0であることから魔石が利用できないため、肉弾戦での戦いになります。うまく育成を進めていたものと思われます。

そしてガガゼト山といえばシーモア終異体戦。ここまでの育成状況を鑑みるとここの戦闘はかなり厳しいことが予想されましたが、なんとケルク大老、ビラン、エンケがシーモアを食い止めてくれます。

歌舞伎版ロンゾ、本当に勇ましかった

キマリはロンゾ族の最後を見届け、大きな雄たけびを上げ、ガガゼト山を後にします。

 

ザナルカンド遺跡~エボンドーム

ティーダの正体が明かされ、当然の如く洞窟ギミックと聖地のガーディアンをすっ飛ばしたらいよいよOPの場面です。
このOPの部分ですが、ティーダがユウナの肩に手をかける部分のシーンがほぼ完全に再現されているのです。あの絶妙なユウナの顔の動きも完璧に一致していたので震えました。

また、このシーンではここまでの旅路を振り返るのですが、ここでキマリが笑顔の練習をするというシーンがあり大変ほっこりいたしました。

その後はエボンドームに向かい、シーモアの過去や10年前のジェクト達の葛藤、そして究極召喚の真実を知り、いよいよユウナレスカとの一戦がはじまります。

しかしここで驚愕の戦術が展開されます。なんとアーロンが「俺一人でやる」と言うのです。まさかのユウナレスカ戦をアーロンソロです。この発想はありませんでした。

RTAではこのあたりになるとバハムートで突き抜けていくのでアーロン単体でユウナレスカに立ち向かう豪胆な戦術には驚きを隠せません。恐ろしい蛇との激戦をかいくぐり、遂にアーロンはユウナレスカを一人で打倒し、10年前の因縁の1つに決着をつけます。凄まじい戦闘シーンでした。どこかでこっそりダメージ限界突破武器を入手していたのかもしれません。

歌舞伎版アーロン、あまりにも強すぎる

 

飛空艇~シンの体内まで

ユウナレスカを倒したら物語もいよいよ終盤です。

従来通りアーロンの正体が明かされ、飛空艇に乗ってシンに対して祈りの歌で大人しくさせる作戦へと続いていきます。

途中、ベベルのグレートブリッジに向かい、バハムートの祈り子と対面してシンを復活させずに倒す方法を教えてもらいます。
その後飛空艇に戻ると思いきやなんとこのタイミングでシーモアの最終異体戦がはじまります。

本来はシンの体内で行われる戦闘ですが、ここで襲ってくるとは思いませんでした。しかし冷静になって考えるとシーモアがシンの体内に飲み込まれて体内で戦うより、ベベルで戦闘するほうが展開としては割りと現実的なのかもしれません。
激戦に次ぐ激戦の末、とうとうシーモアを倒し、異界へと送ります。
今回の歌舞伎ではシーモアのエピソードが丁寧に掘り下げられていたので最後はしんみりでした。

ちなみにこのときのシーモアですが、実はしっかりと衣装に幻光天極が描かれていたのです。

歌舞伎、再現度が半端ない。


幻光天極っていうのはここのおっきな4つの円のことね

その後は祈りの歌により大人しくなったシンに引き寄せられていざ戦闘・・・とおもいきやいきなりアルベドのレールガンが放たれます。ここでは左腕を破壊したら反対側も落としにかかるはずですが、歌舞伎版では整備が足りなかったのか左腕を破壊した時点でレールガンが壊れてしまいます。歌舞伎、絶対絶命と思いきやここでアドリブでこの時点からシンの体内に直行します。

そう、右腕もコアも頭部戦も全てすっ飛ばしで一気に体内です。あまりにも大胆な戦術、さすがです。

 

ジェクト戦~エボンジュ

シンの体内に入ったら長い道のりを経てジェクトの元へ・・・思いきやシンの体内に入ったと同時にジェクトの元に着きます。

そうです、何も体内に入ってすぐに飛空艇を降りる必要は無い。ジェクトの元まで飛んでから降りればいいという逆転の発想でラストスパートを仕掛けてきました

ジェクト戦はティーダとの一騎打ちです。原作ではジェクトがブラスカの究極召喚に变化して戦いますが、歌舞伎では人型での戦闘でした。最初で最後の親子喧嘩です。

ここのシーン、なんと幼少期のティーダが幻のごとく現れます。原作をプレイ済みの方はご存知の通り、ジェクトは小さいティーダに対しての接し方があまりにも不得意で意地悪ばかりしてしまい、それがティーダの父嫌いの要因の1つになってしまいます(母が構ってくれなくなってしまったという面も大きいですが)。

そんな過去とは打って変わって幼少のティーダとジェクトが楽しくブリッツボールでキャッチボールをする幻が表現されます。
本当はお互いこんな関係を望んでいたんじゃないか、歩み寄っていれば仲違いすることはなかったんじゃないか、という思いを彷彿とさせる大変切ないワンシーンとなっておりました。
このシーンの捉え方は色々あるとは思いますが、なんかもう僕はこのあたり感情が崩壊していました。

脱線しましたが、激戦の末、ついにティーダは父を打ち倒します。
そしてシン復活の元凶であり、召喚士:エボンの成れの果てであるエボンジュ戦へと移ります。

歌舞伎、ここで再度召喚獣の一斉召喚グリッチを使用することで全ての召喚獣と同時戦います。
ここの毛振りほんますごい

ちなみに今回の歌舞伎では雷平原が丸ごとスキップされるため、リュックが雷嫌いであることも語られないのですが、この召喚獣バトルにおいて、イクシオンとリュックが対面してリュックが雷に怯えることでこの雷嫌いの設定を見事表現していました。本当に細部までしっかり詰め込んである

エボンジュ本体との戦闘はありませんでしたが全ての召喚獣とケリをつけるところでタイマーストップ。
いやもうタイムとかどうでもいいんですよ。

歌舞伎、最高です。

また、今回は前編であった回想にて、幼少ティーダがジェクトに意地悪されてハイタッチさせてもらえないというワンシーンがアクセントとして挟まっていました。
これを踏まえた上で、消えゆくティーダとジェクトの最後のハイタッチは非常に印象づけられており感動的でした。

これなんの記事だったっけ。

おわり

 

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