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残る服 残らない服

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女、という生業を50年、半世紀も営んでいる。

 

そうすると お洋服との付き合いも 半世紀、ということになる。

 

母親が選んだ服を着ていた幼少時から
自分でお小遣いで買うようになった中学生時代。

 

高校生、大学生、OL、主婦、ワーキングマザー、と
それぞれの人生のステージで着る服選ぶ服はめまぐるしく変わった。

 

とにかく流行の服が欲しかった時もあるし、
とにかくブランド品が欲しかった時もある。

 

また とにかく モテたくて(爆笑) それを切り口で選んでいた時もある。

 

服なんて どうだか そんなこたあ どうでもいい、
と  乳児と格闘していた授乳の時代もあったし、

 

子どもと公園で砂まみれになって
よだれまみれになって
洗濯できる安い服 という基準で選んでいたママ時代もあった。

 

40代に入り、

 

やっと子供を抱っこしなくてよくなり、乳母車とおさらばしたら、
やっと またちゃんとした服とハイヒールが着れるようになり、

 

やったあああ~~ それ!おしゃれしようという熱意が復活、

でもいざとなると 流行に疎くなってしまっていて
何を着たらいいか途方にくれた時代もあった。

 

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何を着ても 何故か妙に 女くさくて いらやしくなるので 困った40代前半、
何を着ても 若作りに見えるんんじゃないか? と怯えていた40代後半(笑)

 

そんな時代を経て 50代に入り
やっと自分が好きだから、という理由だけで服を選べるようになったと思う。

 

しみじみ。感慨深い。

 

さすがにもう自分が何が似合うか、
自分の立ち位置がどこにあるか
自分のキャラがどういうものかわかってきて

 

冷静に選べるようになった。

 

夫や友人や ヒジョーにシビアな娘の意見 (ぶった切られる(笑))
も真摯に耳をかたむけ
私らしい服、というものがスムーズに選べるようになったような気がする。

 

いまでも突然 発作のように ギャル向けの服を着てみたり
突然 アバンギャルドな服を着てみたり
突然 バブルっぽいゴージャス服を着てみたり

 

軸はぶれまくりな私だが、
おおむね お店に並んでいる服を一瞥しただけで

 

似合う
似合わない

必要
必要ない

 

と瞬時にジャッジできるようになったと思う。

 

そんな中、クローゼットを眺めると

 

ずっと残っている服と
そういえば気に入って買ったけど、
1年の短い交際だったわね、、、という服があることに気付く。

 

残る服  残らない服、 その違いと差はどこにあるのだろうか?

 

高かったから?安かったから?ではない。

ブランド品だったから? ノーブランド品だったから? でもない

ベーシック品だったから? デザインがキツイものだから? でもない。

定番品、流行品? それも実は以外と関係ない。

 

私のクローゼットのメンバーを見ると
最強に古い服で 大学一年生の時に買った
黒いタイトスカートというのがある。

 

もう化石のような服である。
マイビンテージである。(笑)

 

これは はじめてのアルバイトのお給料で買った思い出の品、という理由もあるが
シンプルですっきりしていてひざ下で 生地がしっかりしていて 今着ても十分着れる。

 

ウエストが18歳の時と同じ、というのも着てみてなんだか うれしい。
(注意; サイズは同じだがお腹の張りは全く異なる。。。涙)

 

残る服って
結局 それを着て
ときめきや幸せ感があるもの、ということになるだろうか。

 

高い、安いに関係なく、
私は服の作り手の思いや考えが着ていて感じられる服が好き。

 

デザイナーさんやアパレルの企画の人は
きっとこういう女性をイメージして作っているんだろうなあって わかる服というか。

 

だから どうしても 一山いくら、に積み上げられて
ぞんざいな扱いを受けている服は好きになれない。
(私がユニクロやGUで買わないのはこれも理由)

 

縫製がひどすぎる服も苦手。

どこのブランドとは言わないが(笑)
一回着ただけでファスナーが崩壊する服とか。
そこに幸せ感というのは まるで皆無ではないか?

 

ちなみに

 

一生もの、という洋服はない。
一生ものは和服、着物しかないと思っている私。

 

だからどんなに高かったとしても ハイブランドのものでも
どんなに気に入っていても

 

私たち、いつかは別れなければならないのよね、わかっている。

 

なんて 道ならぬ恋路にいる恋人同士のようなセリフを
お洋服に話しかける、 そんな不気味な女、それは私。

 

なるべく 残る服、というものを これからは買っていきたいと思う。

 

入社したと思ったら半年でもう辞めた、
みたいな 残念な新人社員を
最初から採用するべきではないと思うのである。

 

でも 今年限りの流行とわかっていても
ほしくなるアイテムもあるわけで。
残らないとわかっていも買いたくなるお洋服もあるわけで。

 

やっぱり新しい服をどんどん仕入れて着なければ
あっという間に古ぼけた女になるわけで。

 

それでも 使い捨て、と最初から軽んじて買うのは悲しい。
シーズン間、旬な間だけでも ちゃんと愛情注いで たくさん着てあげる。
たくさん思い出を作ってあげる。

 

それが大人の女の お洋服との付き合い方かなと思う。