出典: フリー多機能辞典『ウィクショナリー日本語版(Wiktionary)』
漢字
字源
- 会意。「爪」(上からの手)+「卩」(ひざまずいた人)、形の由来は不明[字源 1]。一説に「印」(「抑」)の分化字[字源 2]。仮借して「表情」を意味する漢語{色 /*srək/}に用いる。
- 『説文解字』では「人」+「卩」と分析されており、それにもとづいて人が重なって性交をしている様子と解釈する説があるが、金文の形を見ればわかるようにこれは誤った分析である。
- ↑ 林志強等評注 『《文源》評注』 中国社会科学出版社、2017年、184-185頁。
- ↑ 禤健聡 「釈“□”併論“印”“卬”“色”諸字」 『中山大学学報(社会科学版)』2014年第1期、74-79頁。
季旭昇撰 『説文新証』 芸文印書館、2014年、711-712頁。
金俊秀 「色字上古声母考」 『中国言語研究』第65輯 韓国中国言語学会、2016年、1-31頁。
意義
- 男女間の情欲。
- 容姿の美しさ。
- 顔色、顔つき、表情。
- 子夏問孝、子曰色難、有事弟子服其勞、有酒食先生饌、曾是以爲孝乎(『論語・為政第二』)
- 子夏孝を問ふ、子曰く「色難し、事有りて弟子其勞に服す、酒食有れば先生饌す、曾ち是を以ちて孝と爲すか。」
- 子夏が孝とは何かを聞いた。先生が言った、「表情が難しいね、用事があって目下の者がそれを済ませたり、酒や食べ物を目上の者がまず食べること(を表情に出さずさりげなくやる)、こういうことを孝言うのかな。」
- いろ、光の波長の違いにより生ずる視覚効果。
日本語
教育漢字 (第2学年)
名詞
- (いろ)可視光スペクトルに起因する視覚効果。
- (いろ)顔色。表情。
- (いろ)様子。
- (いろ)はなやかさ。
- (いろ)厚情。相手に得になること
- (いろ)音や声の調子。
- (いろ)異性のセックスアピール。色気。
- (いろ 俗語)愛人。
- (シキ) (仏教) 認識の対象となる物質的現象全て。五蘊の一つ。
- (シキ) (仏教) 視覚の対象。眼根によって見られる色彩と形象。六境および十二処の一つ。色境、色処に同じ。サンスクリット語 rūpa の訳(ウィキペディア「三科」、「五位」も参照)。
接尾辞
- (いろ)色彩の種類を表す。
- (ショク)色彩の数を表す助数詞。
- (ショク)傾向、様子、調子。
熟語
中国語
色
名詞
- いろ。色彩。
- 顔色。表情。
熟語
連語
朝鮮語
色 *
名詞
- いろ、色彩。
- 色事。
- (仏教)色
熟語: 朝鮮語
ベトナム語
色 *
名詞
- いろ、色彩。
文字情報
字典掲載
康熙字典
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1014ページ, 2文字目
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諸橋大漢和辞典 (修訂第2版)
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30602
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新潮日本語漢字辞典 (2008)
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9884
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角川大字源 (1992)
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8135
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講談社新大字典 (1993)
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13577
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大漢語林 (1992)
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9261
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三星漢韓大辞典 (1988)
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1473ページ, 4文字目
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漢語大字典 (1986-1989)
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5巻, 3071ページ, 1文字目
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