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エレコムの子供用キーボード、小3の息子と触ったら「おかあさん感動!」モノだった
見た目だけじゃない、入力のつまずきを減らす配慮が嬉しい
2023年7月5日 06:30
エレコム株式会社が2023年5月に発売したPC学習用キーボード「KEY PALETTO(キーパレット)」が、キーボード入力を練習する子供はもちろん、教育関係者の間でも好評だ。
そこで、最近プログラミング教室に通い始めた小学3年生の息子にも「試してみたい」と思い使わせてみた。息子は、小学校でiPadをGIGAスクール端末として使っており、ローマ字はまだ習ったばかり。キーボード入力は、かな入力を片手でポチポチという程度で、家では主に音声入力か、親に「これ打って!」とお願いしてくることもある。
そんな小学3年生がこのキーボードを使ってどのようにローマ字入力を始めるのか、保護者目線でレビューしよう。
カラフルでころんとしたキーにテンションUP、まずはシールを貼ってみる
KEY PALETTOには、「Bluetooth接続(Windows用・Chromebook用)」、「Bluetooth接続(iPadOS iOS用)」、「USB有線キーボード」、「ワイヤレスキーボード 無線2.4GHz接続」の4種類が用意されており、今回、筆者が使ってみたのはUSB有線キーボード。
子供心のみならず、母心を刺激するのが、カラフルなキーの配色と、丸みを帯びた指に優しい形状だ。キーピッチは通常よりも狭い17mm。子供が実際に指を置いてみたところ、小さい指にフィットしている。
KEY PALETTOが発売した5月、「EDIX(教育総合展)東京」のエレコムのブースでも同製品が展示されていたので、開発担当者に話を聞いたところ、緑・赤・青・黄色の原色を使った配色にこだわったとのこと。キーの見分けが容易になり、色の判別がむずかしい人でも使いやすいよう工夫されている。また、「l(エル)」と「i(アイ)」、「:(コロン)」と「;(セミコロン)」など、間違えやすい文字や記号は判別しやすいフォントで印字されている。
そして、通常のキーボードと大きく異なる点はアルファベットの小文字が大きく表示されていること。この配慮は、ローマ字を習ったばかりの子供にとって、大文字と小文字の区別はむずかしいのでとても有難い。実際、プログラミングでアルファベットを入力する際は小文字を使う機会が多く、印字された文字を打てば同じ文字がモニターに表示されるのは、学習でのつまずきを減らすことにもつながる。この部分、「初めてキーボードに触れる子供たちが、文字入力でつまずかないように」という開発者の想いが詰まっているそうだ。
さらに、Shiftキーの印字は四角で囲まれており、「大文字や四角に囲まれた記号を入力したいときは、Shiftキーを押せば打てる」という点をビジュアルで分かりやすく示している。また、小文字と大文字の入力を切り替える際、通常のキーボードだと「半角/全角・漢字」キーを押すが、KEY PALETTOでは「a→あ」と印字されているためとても分かりやすい。子供が直感的に操作できる。
保護者的にとても嬉しかったのは、習熟状況に応じて使える「キーボードよみがなシール」だ。ローマ字や記号のフリガナが振ってあり、ファンクションキー用の小さいシールもある。子供はシールが大好き、それは筆者の息子も同じで、「ねえ、キーボード触ってみようよ」と声がけすると最初は面倒くさそうな反応を示していたが、「よし、まずはシール貼ってみてくれる?」と誘ったところ、興味を示してくれた。
息子がシールを貼っているとき、「これはオルトって読むんだ……」、「これは知ってる、チルダ」という具合に1つ1つのキーの名称やどういう時に入力するのかという用途を話していてびっくり。筆者が想像していた以上に知っている。自分でシールを貼ることで、キーの場所や名称を確認しながら学んでいるのが、とてもいい。
必要な時にさっと取り出せる「ローマ字入力サポートカード」が手放せない!
KEY PALETTOの嬉しいお助けアイテムとして、小さな「ローマ字入力サポートカード」も重宝する。表面には「あいうえお」を中心とした直音、裏面には「きゃ」、「きぃ」など拗音の打ち方を一覧に表示。「伸ばし棒(音引き)」や「 」(カッコ)、小さい文字や促音の入力方法についてもサポートされている。
カードは子供の筆箱におさまりそうなコンパクトなサイズ。このサイズ感が小学校低学年男子の母として、かなり有難い。大文字で書きたいくらい有難いのだ。
「ローマ字の入力方法」を書いたプリントは学校でも配布されていて、普段は連絡袋に入れて必要に応じて参照しているようだが、キーボード入力に不慣れな子供はわざわざ紙を見て入力しようと思わないし、学校の机にはスペースに限りがある。ちなみに息子のプリントはランドセルの奥でグシャグシャになっていて、ところどころ破けている。これを家で引っ張り出して「じゃあローマ字打ってみようか」と促すのは正直厳しい部分があった。
その点、KEY PALETTOのカードはサイズもコンパクトで、強度もしっかりしている。折り目がつく心配も(ほとんど)ない。キーボードの背面側にはカードを立てかける場所があり、子供が目線を大きく外すことなく入力できる。プリントを見ながら打つのとは、取っ掛かりも違うのでかなり重宝するはずだ。
Caps Lockの無効化や「print screen」専用ボタンの便利を実感
入力する際に便利な機能についても紹介したい。大きい点としては、本体裏側に設置されたスイッチでCaps Lockを無効化できること。これは子供だけでなく、大人にも嬉しい機能だ。入力時に誤ってCaps LockがONになり、大文字になってしまうことを防ぐ。このCaps Lock問題は、小学校でキーボード入力を教える場合でも課題になっているという。
次に紹介したいのは、キーボードの上部右側にある、「print screen」、「page up」、「page down」だ。特に「print screen」は学校の授業でも頻繁に使う機能だと思う。これら3つのキーは他のキーと形状・押し心地が異なるように設計されている。他のキーよりも少し硬めになっていて、押すと「カチッ」と音が鳴る。この、「押してますよ」感が気持ちいい。
学校では1人1台端末の活用が進んでいるが、やはり小学校低学年の子供にとってキーボード入力はハードルが高い。筆者の息子は板書を取ることが苦手で、最近は毎週末に出る作文の宿題でも、書くことに苦労する姿を目にするシーンが多くなった。そんな息子や書くことに困難さを抱えている子供たちにとって、KEY PALETTOは子供に寄り添った設計・仕様になっているのでかなり便利なツールだといえる。
また保護者のひとりとしては、苦手意識に目を向けるだけでなく、「KEY PALETTOが子供たちの可能性を拡げてほしい」という開発者のメッセージが強く刺さった。今後、子供たちがキーボード入力で書くことの苦手意識や困難を減らし、楽しみながら、自分が思い描いたものを形にする喜びを得て欲しいと、保護者として強く願うばかりだ。