10月2日に引退を発表した岩瀬仁紀投手が今季最終戦となった10月13日の阪神戦で9回表に登場、1002試合目のマウンドは2-2の同点、2死三塁の場面での登板となりました。
対する打者はドラフト同年入団、福留選手との対戦に、勝ち越しのピンチも宝刀スライダーで三振にとって3アウト、最後に投じたボールを松井雅選手から受け取ります。
試合後のセレモニーでは阪神の藤川投手、ドラゴンズからは山井投手から花束を受け取り最後のあいさつ、また藤川投手、福留選手、高橋選手も参加しての胴上げがマウンドで行われました。
「今日はこのようなセレモニーを開いていただき、球団関係者、並びにドームの関係者の皆さま、ありがとうございます。
監督、コーチ、スタッフ、選手のみなさん、本当にありがとうございました。最後まで残ってくれた、孝介、球児、聡文、本当にありがとう。
荒木のようにうまくは喋れませんが、精いっぱい話そうと思います。
99年から入団いたしまして、ここまで20年間、苦しい時も楽しい時もありましたけど、今思えばあっという間です。プロに入って星野さん、山田さん、プロの厳しさを教えていただきありがとうございました。そして落合監督、森さん、僕を守護神として使っていただき本当にありがとうございました。
精神的に強くない自分でしたけど、9回というポジションを必死で守ってきました。
これからは若い子たちに安心して見ていられるようなピッチングをしていただきたいと思います。
ドラフト1位で入った孝介とは普段から仲良くしてきたので、先に辞めるのはつらいんですけど、本当にありがとう。そして阪神ファンのみなさん、本当に精神的に僕がオドオドしていたんですけど、甲子園のヤジは怖かったです。
そして何より中日ドラゴンズのファンの皆さま、弱い僕の背中を押してくれて本当にありがとうございました。
本当にいろいろな人に支えられてここまで来られました。自分一人では何もできない中、自分の体、精神的な面もいろいろな人に支えられてここまで来ましたので、本当に感謝しております。今日は本当にありがとうございました。
岩瀬投手は98年のドラフト会議で2位指名を受け入団、99年4月2日の開幕戦(対広島戦)でプロ初登板、開幕投手を務めた川上憲伸投手に代わり二番手としてマウンドへ上がります。
大抜擢となりましたが6回表2死、1点リードと緊迫した展開での登板となり、デビュー戦は1死も取れず逆転を許して降板という結果に。
しかし、その後も登板の機会を与えられた岩瀬投手は、起用の期待に応え1年目から65試合に登板し10勝2敗1セーブの成績を残し、最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得します。
2年目以降も勝ちパターンでのリリーフで登板、抑えとして活躍した99年の宣銅烈投手、エディ・ギャラード投手(2000年~03年)、大塚晶文投手(03年)らへつなぐセットアッパーの中心的存在として活躍し、3度(99年、2000年、03年)の最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得。
04年から抑えに転向し22セーブを挙げると、05年には46セーブで最多セーブのタイトルを獲得、06年、09年、10年、12年と5度のセーブ王に輝きます。
絶対的な抑え投手に君臨し10年6月16日の日本ハム戦で通算250セーブを達成しますが、岩瀬投手の記録更新はまだまだ続きます。
11年6月16日のソフトバンク戦でプロ野球新記録となる通算287セーブ、13年9月18日の巨人戦で通算382セーブとし、佐々木主浩氏が持つ日米通算セーブ数を超え日本人投手最多セーブを更新、2014年7月26日の巨人戦でプロ野球史上初の通算400セーブの大記録を達成します。
抑えに転向後の04年から11年連続20セーブを挙げるなど、セーブの記録を更新し続ける一方、ルーキーイヤーから15年連続で50試合に登板するなど登板数の記録も更新、17年7月21日の広島戦で金田正一氏の持つ944登板を抜いてセ・リーグ歴代1位となると、8月4日の巨人戦で米田哲也氏のプロ野球記録に並ぶ949試合登板を達成、8月6日の巨人戦では950試合登板を達成し日本記録を樹立。そして18年9月28日、前人未到の1000試合登板を達成、また翌29日は同じく今季での引退を決めた浅尾拓也投手のラスト登板となり、最後の登板を終えた浅尾投手から岩瀬投手への継投、かつての黄金リレーの再現ともなりました。
通算成績1002試合登板、59勝51敗82ホールド、407セーブ、セーブ数、登板数の記録を更新し続けてきた鉄腕、岩瀬投手にもついに引退の時が訪れ、20年の現役生活にピリオドを打ちました。
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ドラフト指名
ドラフト2位指名を受け、仮契約をした岩瀬投手
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入団発表
星野監督に健闘を誓う岩瀬投手ら
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初登板・初勝利
4月2日(対広島)プロ初登板
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4月18日(対巨人)プロ初勝利
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初セーブ
6月23日(対巨人)プロ初セーブ
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最優秀中継ぎ投手
プロ1年目から最優秀中継ぎ投手賞を受賞
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初先発
プロ初先発で初先発勝利を挙げる岩瀬投手
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この年、2年連続で最優秀中継ぎのタイトルを獲得
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最多セーブ
最多セーブ投手賞を受賞し、笑顔で話す岩瀬投手
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100セーブ
7月30日(対巨人)
通算100セーブを達成して喜ぶ岩瀬投手
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500試合登板
7月7日(対阪神)
通算500試合登板を達成し、花束を手に声援に応える
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150セーブ
9月9日(対ヤクルト)
通算150セーブを達成し、立浪選手から花束を受け取る
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200セーブ
5月12日(対ヤクルト)
長良川球場で通算200セーブを達成
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最多セーブ
41セーブ目を挙げ、この年、
06年以来3度目の最多セーブのタイトルを獲得
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250セーブ
6月16日(対日本ハム)通算250セーブを達成
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リーグ優勝・祝勝会
10月1日 祝勝会で荒木選手(中)にビールをかける岩瀬投手
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最終戦セレモニー
10月2日 チャンピオンフラッグを手に場内を一周
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286セーブ
6月12日(対楽天)通算286セーブを挙げる
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287セーブ
6月16日(対ソフトバンク)
日本プロ野球新記録となる287セーブを挙げる
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300セーブ
9月3日(対広島)通算300セーブを達成
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リーグ優勝・祝勝会
10月18日 連覇を決め、祝勝会で森コーチ(当時)からビールをかけられる岩瀬投手
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350セーブ
4月18日(対ヤクルト)通算350セーブ
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382セーブ
9月18日(対巨人)
382セーブを挙げ佐々木主浩氏の
日米通算セーブ数を抜き、日本人最多セーブを更新
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400セーブ
7月26日(対巨人)
前人未到の400セーブを達成
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900試合登板
8月6日(対DeNA)史上3人目となる900試合登板を達成
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月間MVP
2005年4月度以来、12年ぶり2度目の月間MVP
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949試合登板
8月4日(対巨人)
米田哲也氏に並ぶ949試合登板を達成
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950試合登板
8月6日(対巨人)
日本新記録となる950試合登板達成
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1000試合登板
9月28日(対阪神)
通算1000試合登板を達成し、通算407セーブを挙げた