日本、そしてアジアの空を見守り続ける人工衛星が、七夕に新旧交代する。昨年打ち上げられた気象衛星「ひまわり8号」が、7月7日午前11時(日本時間)から本格運用を開始するのだ。
このひまわり8号、従来機の7号よりパワーアップしたとのことだが、具体的に何が変わり、そして私たちの暮らしにどんな影響を与えるのか。気象庁を直撃した。
気象庁の吉崎徳人・衛星データ利用技術開発推進官は、ひまわり8号の性能について次のように話す。
「解像度の向上などによって、数値予報(コンピューターで未来の気象状況を予測する手法)の精度向上も図られると期待しています。また、『7号』まではモノクロでの撮影しかできなかったため、これまで気象庁ホームページにあるカラーの『衛星画像』は着色したものでした。しかし、カラー撮影が可能になった『8号』の登場によって、自然な色合いの画像に変わります」
解像度は、これまで1km四方だったものが、0.5km四方(可視画像の場合)まで識別できるようになるという。これによって台風の進路予測や、ゲリラ豪雨の原因ともなる積乱雲の動きがより監視しやすくなるとのこと。ゲリラ豪雨の増えるこれからの季節。精度の高い予測が可能になれば、豪雨をうまく回避できるようになるかもしれない。
では次に、カラーになることでどんな恩恵があるのか。これは、白い雲と黄砂との識別が容易になるため、黄砂飛来の監視がしやすくなるという側面がある。こちらも精度が上がれば、黄砂の影響を受けやすい福岡県などで、特に役立つ情報が得られるようになるかもしれない。