9月16日に都内であった「東京ポッド許可局2017ジャパンツアー」の東京公演。3人の新たな試みはどう展開するのか(写真:オフィス北野提供)
9月16日に都内であった「東京ポッド許可局2017ジャパンツアー」の東京公演。3人の新たな試みはどう展開するのか(写真:オフィス北野提供)
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マキタスポーツ/ 1970年、山梨県生まれ。「作詞作曲ものまね」という芸で有名。俳優業では、「苦役列車」で第55回ブルーリボン賞新人賞、NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」出演ほか(写真:オフィス北野提供)
マキタスポーツ/ 1970年、山梨県生まれ。「作詞作曲ものまね」という芸で有名。俳優業では、「苦役列車」で第55回ブルーリボン賞新人賞、NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」出演ほか(写真:オフィス北野提供)
プチ鹿島(プチカシマ)/1970年、長野県生まれ。時事ネタを得意とする自称・時事芸人。タブロイド紙報道から世相を読むのが彼のスタイル。著書に『教養としてのプロレス』(双葉新書)ほか(写真:オフィス北野提供)
プチ鹿島(プチカシマ)/1970年、長野県生まれ。時事ネタを得意とする自称・時事芸人。タブロイド紙報道から世相を読むのが彼のスタイル。著書に『教養としてのプロレス』(双葉新書)ほか(写真:オフィス北野提供)
サンキュータツオ/1976年、東京都生まれ。お笑いコンビ「米粒写経」の一人。アニメなども理屈で語る自称・日本で唯一の学者芸人。専門は日本語学。著書に『国語辞典の遊び方』(角川学芸出版)ほか(写真:オフィス北野提供)
サンキュータツオ/1976年、東京都生まれ。お笑いコンビ「米粒写経」の一人。アニメなども理屈で語る自称・日本で唯一の学者芸人。専門は日本語学。著書に『国語辞典の遊び方』(角川学芸出版)ほか(写真:オフィス北野提供)

「東京ポッド許可局」の10年ネットの片隅からそのまま地上波へ。約10年前に自主制作で始まったラジオ番組「東京ポッド許可局」は、いま地上波(TBSラジオ)で放送中だ。ラジオの「新しいカタチ」を考えるべく、パーソナリティーの3人に番組イベント終了後に話を聞いた。

【写真】当時、収録は喫茶店だった…と語るプチ鹿島

●楽屋の話から
マキタスポーツ(以下、マキタ)自主制作でラジオを始めてから今年がちょうど10年目なんですよ。始めた頃、そもそも
「ポッドキャスト」がなんたるか、わかってなかったですね。

サンキュータツオ(以下、タツオ):僕はもともとアニメの話を「ポッドキャスト」でしていました。「二次元へいきまっしょい!」という殿堂入りした番組です。ただアニメを知っている人にしか届かず、もう少し、何かできないかなと思っている頃でした。しかも僕らは、お笑いの世界の極北、周辺にいる人間で、存在すら知られていない。だからラジオの練習のつもりで始めたのが、実際のところなんです。自分たちで録って編集なしで、そのまま「ポッドキャスト」で配信する。今の「ユーチューバー」的な発想で始めたのが「東京ポッド許可局」です。

プチ鹿島(以下、鹿島):10年前の僕らは、全く仕事がなかったんです。もっというと王道に乗れなかった芸人なんですよ。2000年代のネタブーム。「エンタの神様」(日本テレビ)、「爆笑オンエアバトル」(NHK)の時代です。チャレンジするんですけど、世に出ることはできず。でもライブ終わりに楽屋で話をしていて、それが通常の芸人がしているような楽屋トークではなく、昨日見たテレビの話とかしていました。3人で話してると、気が合うというか、馬が合うというか、面白いなーと思っていました。それで、せっかくだから他の人にも、覗き見される体で流したら、何かあるかもしれないなと……。

●ネットの片隅から

タツオ:始めてみたら、ことのほか大勢の人が聴いてくれて、登録者が10万人超えた時に最初のイベントをやったんです。
マキタ:それが「10万ポッド許可局」というイベント。チケットも即完売。

タツオ:僕らこれまで100人のお客さんを呼ぶのに苦労していたのに、08年に始めて、最初の2千人規模のイベントが11年の日比谷公会堂だったんですよ。プロジェクトとして考えたとき、わずか3年で2千人キャパを集められる芸人は、多分今もいないと思うんですよ。これは異常事態だなと思ったんですよ。ネットの片隅から出てきた、おじさんが、3年で2千人集めるってありえない話だと思うんですよね。

マキタ:当時、「どうやって人を集めてるんですか」ってよく聞かれました。結構な人気者、テレビの人気者って意外とイベントでは集客できないんです。

タツオ:しかも3人は別にイケメンで売ってるわけでも、ネタ番組に出てるわけでもない。だからこの番組って、時代に選ばれてるところがあるんだろうな。僕らが意図せずに、ガチッとハマったところがあるんだろうなと感じてました。

鹿島:裏街道走ってきた僕らなんで、ネットには本当に救われたと思っています。

●リスナーとSNS

鹿島:業界の関係者とかもよく聴いてくださってたんですよ。

タツオ:番組のリスナー(聴取者)のことを「許可局員」と呼ぶんですけど、現場に行ったら小さな声で、「許可局員です」って言われます。

マキタ:秘密結社なんですよ(笑)。

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