格安SIMへ乗り換えるにあたって、乗り換えた結果繋がりにくくなってしまったりしたら心配ですよね。
乗り換えると繋がりやすい場所が変わることは確かに実際あります。
しかし、しっかり情報を確認して乗り換え先を選べばエリアが変化することはないのでご安心ください。
この記事では、格安SIMのエリアのしくみやエリアに関する注意点について解説します。
格安SIMの仕組み
格安SIMでは基本的に、大手キャリアが展開している回線を借りてサービスが展開されています。
また、UQモバイルやワイモバイルは自社の回線をそのまま使っている、MNOという方式です(サブブランドとも呼ばれています)。
ちなみにahamo、povo2.0、LINEMOは格安SIM並みの料金設定ですが、大手キャリアのプランの1つ(格安プラン)であるため厳密には格安SIMではありません。
格安SIMのエリアは利用している回線のキャリアと同じ
格安SIMのエリアは、その格安SIMのプランが利用している回線のキャリアと同じです。
例えばドコモ回線の格安SIMを契約したのであれば、繋がるエリアは本家ドコモと変わりません。
au回線の格安SIMならau回線、ソフトバンク回線の格安SIMならソフトバンク回線とエリアが同じです。
つまり、乗り換え前後で同じ回線が使われていれば格安SIMに契約が変わっても繋がるエリアは変更されません。
反対に元々ドコモを契約していて乗り換え後はau回線のUQモバイルになるなど、使われる回線が変わる場合は乗り換えによって繋がる場所が一部変更となる可能性があります。
今まで使っていたキャリアのエリアに不満がない場合は、乗り換え前後の回線が同じキャリアのものになるように注意しましょう。
格安SIMを利用する上で注意すべき点
格安SIMへ乗り換えて利用するにあたって注意したい、エリアに関するその他のポイントをまとめました。
混み合う時間帯などは繋がりにくくなる場合がある
格安SIMへ乗り換えても乗り換え前と回線が同じならエリアは変わりません。
しかし、混み合う時間帯などは乗り換え先によっては大手キャリアより速度が低下して繋がりにくくなることがあります。
MVNO系の格安SIMは、大手キャリアから広い回線帯域の中の一部のみを借りてサービスを提供しています。
例えば大手キャリアが広い高速道路の全ての車線を使えるとすると、格安SIMはそのうちの1つの車線のみで走れる、といったようなイメージですね。
結果的にMVNO系の格安SIMは大手キャリアと比べるとお昼や夜などに速度が低下しやすくなることにご注意ください。
なお、UQモバイルやワイモバイルのような「サブブランド」や、ahamo、povo2.0、LINEMOといった大手キャリアの「格安プラン」なら、基本的に自社の広い回線を使える関係でいつでも速度は高速です。
端末によって繋がりやすい電波(バンド)がある
スマートフォンにはそれぞれ対応する電波の周波数帯(バンド)の種類があり、機種ごとに繋がりやすいキャリアの回線の種類が異なります。
iPhoneなら基本的にドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルのいずれもしっかり使えますが、Androidの場合は販売されていたキャリア以外の電波に多く対応していないこともあるのでご注意ください。
基本的に4Gの「Band1」(楽天モバイルは「Band3」)への対応が必須で、合わせてドコモはBand19、auと楽天モバイルはBan18または26、ソフトバンクはBand8といった「プラチナバンド」にも対応しているとより広いエリアで使えます。
端末が契約先で使われるキャリアのプラチナバンドに非対応だと、地下や屋内、地方・山間部などで電波が悪くなるケースもあるため注意が必要です。
以下の表にキャリアごとの主に使われる電波の周波数帯(重要なものは太字指定あり)と、端末の対応バンドをまとめたので参考にしてください。
回線で使われる主な4G・5G周波数帯 | 端末の対応バンドを調べられる場所 | |
ドコモ | 4G:Band1、3、19、21、28、42 5G:n1、28、78、79、257 |
「SIMロック解除」→ご注意事項「他社のSIMカードなどをご利用いただく際の動作保証について」内の対応周波数帯PDF |
au | 4G:Band1、3、11、18/26、28、42 5G:n3、28、77、78、257 |
「SIMロック解除のお手続き」→「機種別対応周波数帯一覧はこちら」 |
ソフトバンク | 4G:Band1、3、8、11、28、42 5G:n3、28、77、257 |
「ソフトバンクの携帯電話を他社で利用する/SIMロック解除」→注意事項項目の「機種別対応周波数帯一覧」をみる |
楽天モバイル | 4G:Band3、18(auローミング) 5G:n77、257 |
「取扱製品の対応周波数帯一覧」 |
その他SIMフリースマートフォン | - | 機種の公式サイトなどにあるスペック表等から確認可能 |
次項からは、各キャリアの回線ごとのおすすめの格安SIMを紹介します。
ドコモ回線の格安SIM
ドコモ回線の格安SIMは以下の3社がおすすめです。
- ahamo
- mineo
- BIGLOBEモバイル
それぞれの特徴や料金プランについて紹介します。
ahamo
ahamoはドコモがオンライン申し込み専用で展開している、格安の料金プランです。
ahamo 料金プラン概要 | ||
月額基本料 | 2,970円 | 4,950円 |
データ量 | 30GB | 110GB |
低速時速度 | 1Mbps | |
通話料 | 22円/30秒 | |
無料通話 | 5分かけ放題付帯 | |
データ繰り越し | × | |
5G対応 | ◯ |
ahamoは30GB+5分かけ放題で月額2,970円、無制限のかけ放題は1,100円の月額料金で追加可能となっています。
30GBで足りない場合は1,980円の「大盛りオプション」契約で80GB追加して合計110GBが毎月利用できますよ。
ahamoは本家ドコモのサービスなので、お昼などの混雑時も速度が低下しにくくなっているのも魅力です。
月額料金は格安SIMとしてはやや高めですが、品質や通信量のボリュームを求める方にはahamoがおすすめです。
mineo
mineoはドコモ、au、ソフトバンク回線から好きなものを選んで契約できる、オプテージが展開している格安SIMです。
mineo 「マイピタ」概要 | ||||
月額基本料 (音声SIM) |
1,298円 | 1,518円 | 1,958円 | 2,178円 |
月額基本料 (データSIM) |
880円 | 1,265円 | 1,705円 | 1,925円 |
データ量 | 1GB | 5GB | 10GB | 20GB |
低速時速度 | 200Kbps | |||
通話料 | 22円/30秒 | |||
データ繰り越し | ◯ | |||
5G対応 | ◯ |
1GBで1,298円などの料金設定ですが、とくにおすすめなのが10GBや20GBでの契約です。
mineoには月額385円の「パケット放題Plus」というオプションがあり、アプリから「節約スイッチ」をオンにすることで最大1.5Mbpsの通信が容量の上限なしで使い放題となります。(3日間10GB以上利用時の200kbpsへの速度制限はあり)
このパケット放題Plusを10GB以上の契約では無料で使えてしまうので、できるだけ安くたくさん通信をしたい方は申し込んでみてください。
※上記リンクからのみ特典が適用されます
※お試し200MBコース、マイそくスーパーライトは特典対象外です
BIGLOBEモバイル
BIGLOBEモバイルはドコモ回線とau回線に対応している格安SIMです。
BIGLOBEモバイル 料金プラン概要 | ||||||
月額基本料 (音声SIM) |
1,078円 | 1,320円 | 1,870円 | 3,740円 | 5,720円 | 8,195円 |
月額基本料 (データSIM) |
- | 990円 | 1,595円 | 2,970円 | 4,950円 | 7,425円 |
データ容量 | 1GB | 3GB | 6GB | 12GB | 20GB | 30GB |
低速時速度 | 200Kbps | |||||
通話料 | 9.9円/30秒(BIGLOBEでんわアプリ利用時) 22円/30秒(標準アプリ使用時) |
|||||
データ繰り越し | ◯ | |||||
5G対応 | △ ※ドコモ回線のみ |
BIGLOBEモバイルの魅力は「エンタメフリー・オプション」の存在です。
エンタメフリー・オプションは月額308円・初回最大2ヶ月無料(音声通話SIMの場合)で、YouTubeなど21種類のサービスを使い放題にできます。
動画や音楽、電子書籍などを自由に楽しみたい方は、BIGLOBEモバイルでエンタメフリー・オプションを申し込んでみてください。
au回線の格安SIM
au回線の格安SIMは以下の3種類がとくにおすすめです。
- UQモバイル
- povo2.0
- IIJmio
それぞれの特徴などについてまとめました。
UQモバイル
UQモバイルはKDDIがauのサブブランドとして展開している格安SIMのサービスです。
UQモバイル 料金プラン概要 | |||
ミニミニプラン | トクトクプラン | コミコミプラン+ | |
月額基本料 | 2,365円 | 2,277円・3,465円 | 3,278円 |
月額基本料 (最大割引時) |
1,078円 | 990円・2,178円 | 割引無し |
データ量 | 4GB | 1GB・15GB | 33GB |
低速時速度 | 最大300Kbps | 最大1Mbps | |
通話料 | 22円/30秒 | ||
無料通話 | 付帯なし | 10分以内通話無料 | |
データ繰り越し | ◯ | ||
5G対応 | ◯ |
UQモバイルはauが自社回線で展開しているので、通信品質が非常に高くなっています。
ただし、代わりに月額料金は4GBで2,365円など、格安SIMとしてはやや高めとなっていることにご注意ください。
料金についてはミニミニプラン・トクトクプランなら家族で契約すれば550円引きの「家族セット割」を適用可能、auひかりやauでんきなど対象サービスの契約者は「自宅セット割」で1,100円引きにもなります。(併用不可)
またau PAYカードで支払いを行えば、187円の割引も受けられますよ。
povo2.0
povo2.0はauがオンライン申し込み専用に展開している格安の料金プランで、なんと月額基本料金が0円となっています。
povo トッピング概要 | |||||||||||
料金 | 390円 | 1,260円 | 990円 | 2,700円 | 6,490円 | 21,600円 | 12,980円 | 9,834円 | 24,800円 | 330円 | 9,834円 |
データ量 | 1GB | 1GB | 3GB | 20GB | 60GB | 120GB | 150GB | 300GB | 使い放題 | 使い放題 | |
有効期限 | 7日間 | 180日間 | 30日間 | 90日間 | 365日間 | 180日間 | 90日間 | 365日間 | 24時間 | 7日×12回 | |
低速時速度 | 128Kbps | ||||||||||
通話料 | 22円/30秒 | ||||||||||
データ繰り越し | × | ||||||||||
5G対応 | ◯ |
3GB・30日間990円などのトッピングをすることで、高速通信が可能です。
とにかく安い料金でauの高品質な回線を使いたい方はpovo2.0を検討してみましょう。
povo2.0は半年に1回課金していれば回線を維持できるので、災害時・メイン回線が速度制限やエリア外になった時のサブ回線として契約しておくのもおすすめです。
IIJmio
IIJmioはドコモ・au回線に対応している格安SIMです。
IIJmio 「ギガプラン」概要 | ||||||||
月額基本料 | 850円 | 990円 | 1,500円 | 1,800円 | 2,000円 | 2,700円 | 3,300円 | 3,900円 |
データ量 | 2GB | 5GB | 10GB | 15GB | 20GB | 30GB | 40GB | 50GB |
低速時速度 | 300Kbps | |||||||
通話料 | 11円/30秒 | |||||||
データ繰り越し | ◯ | |||||||
5G対応 | ◯ |
2GBで850円など料金設定が非常に安いことがIIJmioの魅力です。
また、データ通信専用のeSIMなら2GBで440円など、さらに安い料金でスマホを持つことができますよ。
光回線の「IIJmioひかり」を契約していれば660円の割引を受けられるので、最安で音声通話SIMを2GB月額190円から使うことも可能です。
とにかくスマホを安く使いたい方は、IIJmioへ乗り換えてみてください。
ソフトバンク回線の格安SIM
ソフトバンク回線の格安SIMは以下の2社がとくにおすすめです。
- LINEMO
- ワイモバイル
それぞれの魅力を解説します。
LINEMO
LINEMOはソフトバンクがオンライン申し込み専用で展開中の格安プランです。
LINEMOの料金プラン概要 | ||
LINEMOベストプラン | LINEMOベストプランV | |
月額料金 | 990円・2,090円 | 2,970円・3,960円 |
データ容量 | 3GB・10GB | 20GB・30GB |
低速時速度 | 最大300kbps・ 128kbps(容量15GB超過後) |
最大1Mbps・ 128kbps(容量45GB超過後) |
通話料 | 22円/30秒 | |
データ繰り越し | × | |
5G対応 | ◯ |
※表は右にスクロールできます
最大10GBまで2,090円・最大30GBまで2,970円(キャンペーン中。通常料金は3,960円)という2種類のプランを展開しており、データの利用量によって料金が変動する仕組みです。
また、申し込みでPayPayポイントが還元されるキャンペーンなども充実しているので、お得に格安サービスへ乗り換えつつ高品質な回線で通信を行いたい場合にご検討ください。
ワイモバイル
ワイモバイルはソフトバンクがサブブランドとして展開中の格安SIMです。
ワイモバイル料金プラン シンプル2概要 | |||
S | M | L | |
月額料金 | 2,365円 | 2,915円・4,015円 | 2915円・5,115円 |
各種割引適用後料金 (契約翌月以降) |
1,078円 | 1,078円・2,178円 | 1,078円・3,278円 |
データ容量 | 4GB | ~1GB・20GB | ~1GB・30GB |
低速時速度 | 最大300kbps | 最大1Mbps | |
通話料 | 22円/30秒 | ||
データ繰り越し | ◯ | ||
5G対応 | ◯ |
※表は右にスクロールできます
大手キャリア提供のサービスなので、ワイモバイルも通信速度は非常に高速で安定しています。
ワイモバイルは4GBで2,365円など通常の料金設定がやや高めですが、キャリアメールが無料で使えたりYahoo!ショッピング等で高還元を受けられるなどのメリットがあるYahoo!プレミアム会員のサービスを使えたりと機能面で充実しています。
サービスを使いこなせるなら支払う料金以上にお得となるので、しっかり特徴をチェックしつつ検討してみてください。
楽天モバイルは独自回線でサービス提供
楽天モバイルは自社の回線を使ってサービスを提供しています。
一部地域ではauから借りた回線を提供することで通信エリアの弱い部分がしっかり補われていますよ。
楽天モバイル「Rakuten最強プラン」概要 | |||
月額料金 | 1,078円 | 2,178円 | 3,278円 |
データ容量 | 3GBまで | 3~20GBまで | 20GB以上 |
通話料 | 国内通話無料(Rakuten Link使用時) 22円/30秒(標準アプリ使用時) |
||
5G対応 | ◯ |
3GBで1,078円など、月額料金が非常に安いことが魅力です。
最大でも3,278円で使い放題になるので、できるだけ安くたくさん通信をしたい場合にも検討してみてください。
また、Rakuten Linkというアプリから電話をかければ無料でかけ放題を利用することができるのも嬉しい特典です。
キャリアメールの楽メールも誰でも無料で使うことができますし、契約すれば楽天スーパーポイントの楽天市場での還元率が+5倍になるSPU特典もありますよ。
まとめ
今回は、格安SIMのサービス提供エリアに関する情報を解説しました。
ポイント
- 格安SIMは大手キャリアの回線を使ってサービスを提供
- 乗り換え前後の回線種類が同じならエリアが変わることはない
- 乗り換え後が別のキャリアの回線になる場合はエリアが変わる
- MVNO系の格安SIMへ乗り換えると回線混雑時に速度が低下しやすくなる
- 回線のキャリアが変わる場合、Androidのスマホだと電波をうまく拾えないケースもある
乗り換え後も同じキャリアの回線が使われている格安SIMを使うのであれば、エリアが変わる心配はないのでご安心ください。
今回の解説を参考に格安SIMのベストな選択肢を見極めて、お得な料金で快適に通信・通話を行ってみてくださいね。