J79とは、米国ゼネラル・エレクトリック社が開発した単軸式ターボジェットエンジンである。
F-4戦闘機のエンジンとして知られている。
「前作」に当たるJ73ターボジェットエンジンを元に、マッハ2級を狙ったエンジンとして開発された。
特徴的な部分として、構造をシンプルにするために当時流行し始めた2軸式(高圧系と低圧系でシャフトが別々になっている)をかなぐり捨て、単軸式を採用したという点がある。
しかし単軸式では高圧圧縮機と低圧圧縮機が同じ回転数で回転することになるため、最適な回転数で回すことができないため効率面で劣る。このため圧縮機のステータ(固定されたブレード)を可変ピッチ式とすることで効率の向上を図っている。あれ、逆に構造複雑になってね?
初期型は構造の複雑さや軽金属の多用などが原因で運転、特に温度関連に関して制約が多く、搭載機は最高速度がマッハ2に制限されていたがこれらの点を改善した後期型はその制約がとれてマッハ2超の速度も狙えるようになった。
なお、初期型は飽くまで運転時の温度制約が原因で搭載機はマッハ2止まりとされていただけであり、実際はそれ以上も余裕な推力を有していたことを追記しておく。
ちなみにアメリカとしては、(当時ジェットエンジンに関して世界最先端を行っていた)イギリス製ジェットエンジンの水準を初めて超えたエンジンという点で記念碑的な製品でもあるとか。
リアルストレイト・クーガーこと大富豪ハワード・ヒューズの指令を受けて飛行機界のSUZUKIことコンベアが、「世界最速の旅客機」という触れ込みで発売したCV880。
同機はエンジンにJ79の民生版であるCJ805を採用していた。
乱暴に言えばJ79からアフターバーナーを取っ払い、また高価なチタン系材料の割合を減らすことにより安価にしたものである。
ただしケチってチタン(などの耐熱金属)を控えめにしたのが原因で、期待通りの性能を出せなかったとか。
また、CV880の後継機であるCV990には、CJ805の後部にファンを追加し謂わば即席ターボファンエンジンとした「CJ805-23」が搭載されている。
J79をターボシャフトエンジンに転用した「LM1500」という製品も、発電用途や船舶などに多数採用されている。
J79の持病としては、特定の回転域で共振により大きな音を出すことや、排気の黒煙が凄まじく(石原元都知事ブチ切れ確定)特に軍用機としては敵に排気で位置がバレバレになってしまうなどがあげられる。
J79搭載機の例。
CV880にはJ79の民生版であるCJ805が搭載されている。
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最終更新:2025/01/15(水) 08:00
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