F91とは、アニメ映画『機動戦士ガンダムF91』に登場するモビルスーツである。
その他には以下のような意味もある。
サナリィ(S.N.R.I.:Strategic Naval Reseach Institute、海軍戦略研究所)がフォーミュラ計画で開発したF-9シリーズの主力戦闘型MS。
ガンダムF90のミッションパックの内、ヴェスバー試験型のF90Vを継承する形で当時の小型MSの限界性能を目指した機体。ベースをF90Nと記載した資料も複数ある(オフィシャルエディション、Bクラブ64-65号)が、初期設定説やF90ⅠVの誤植説もあってはっきりしない。
MS小型化計画を反映して開発されたMSであり、従来機と比べて約15mと小型化が進んでいる(RX-78-2ガンダムは約18m、νガンダムは放熱板フィン・ファンネルを除けば約22m)。
なお小型化した理由に関しては、作中の意味でも、現実世界のガンプラにおける意味でもコストダウンするためである。
RX-78-2ガンダムに似ているため「機動戦士ガンダムF91」の劇中でガンダムF91と呼ばれ、それが定着している。
主な搭乗者は搭乗順にベルフ・スクレット(SFC/F90FF エピローグ)、ジョン・スコット(HJ版F91 MSV)、シーブック・アノー(F91)、ハリソン・マディン(クロスボーンガンダム)、ミノル・スズキ(鋼鉄の七人)、ミッチェル・ドレック・ナー(鋼鉄の七人)。
特徴的な兵装としてヴェスバー(V.S.B.R.:Variable Speed Beam Rifle、可変速ビームライフル)2門を装備している。
F90Vに採用されたビームの収束率及び射出速度を変えることで威力を調節出来る武装で、コロニー内戦闘が主だった劇中では威力が高すぎるとしてほとんど使用されなかった。
U.C.0133の量産型F91とクロスボーン・ガンダムの交戦時にビームシールドを2枚突き破るなど、10年経ってもその威力は健在。
MCA(Multiple Construction Armor)は装甲材に電子機器を埋め込む多機能装甲技術である。
従来のムーバブルフレームやモノコックのままでは小型MSの高性能化は難しく、それらに代わる新たな構造概念として装甲・構造材と内蔵電子機器の一体化が考案された。
F91の構造は半外骨格(セミ・モノコック構造)を母体としているが、機能的にはムーバブルフレーム構造の要素も継承しているため、それらの中間とも言える。
MCA構造はそれそのものが構造材であり、内蔵電子機器であり、装甲でもある。それぞれの部材を単機能とはせず、情報伝達処理やエネルギー伝達回路の取り回し等もMCA構造に兼任させる。これによる容積の大幅な削減は、機体に更なる軽量化と高性能化をもたらした。
特にパワーウェイトレシオ、機動性は大きく向上しており、ヤシマ重工が提供したマイクロハニカム技術と共に、F91の発展に大きく貢献した。
また、F91のコックピット周辺部には「サイコ・フレーム」が感応波の主増幅器として採用された。サイコフレームはサイコミュの基礎機能を有するコンピューターチップをナノレベルで素材に鋳込む製法である。
MCA構造も元を辿ればこのサイコフレームからスピンアウトした技術なのだが、こちらは鋳込むチップをサイコミュ系に限定せず、それ以外の電装系にも対象範囲を拡大している。
サイコフレームはF91オフィシャルエディションやNT100%で搭載が判明していたが、その後に出た資料では全く記載されなかった。当時の資料(特にBクラブや模型情報など)のマイナー設定が拾われないのは珍しくもないのだが、ガンダムUC及びNTの設定から開発凍結=未採用と早合点する者もいたらしい。
『F91プリクエル』では、サイコフレームもMCAに含まれるとされ、採用が確定した。『機動戦士ガンダムF90FF』の設定解説を行っている「月刊モビルマシーン」ではF90Nタイプの支援戦闘機ハルファイターにMCA構造およびサイコ・フレームが採用されていたとされ、サナリィは木星船団からサイコ・フレーム技術を獲得したと解説された。このため、アナハイムとは別の方面の出自となった事でガンダムUCやNTの設定とも矛盾しなくなったと言える。
F91オフィシャルエディションによると、サイコミュはF91のサブ増幅器として採用。
HJ92年5月号、旧キットによると、バイオセンサーはバイオコンピューターと連動して追従性能・反応速度を高める装置としてリニアシートに設置されており、映像でもバイオセンサーとシーブックのバイオリズムに合っていた事を一度発言するシーンが有る。
バイオセンサーは下記のバイオコンピューターと連動し、最大稼働モードの判定装置も兼ねる。
F91にはサナリィのモニカ・アノー博士が開発した「バイオコンピュータ」が組み込まれている。
バイオコンピュータは生物細胞のデータ、有機部品の両方が使われた第六世代コンピュータで、F90の8000系ニューロ・コンピュータ(第五世代コンピュータ)に代わる物である。元々は障害者用に考案された技術だったが、パイロットの負担を減らす次世代サイコミュデバイスの雛型として軍事に転用されたと言う経緯を持つ。
ロールアウト時には搭載されておらず、U.C.0122の第2次オールズモビル戦役でベルフ・スクレットが本機に搭乗した際にもまだ非搭載だったが、同年12月フロンティアⅠへの搬入後に換装が行われた。
その機能は「感応波レベルが低い非ニュータイプでも扱える疑似的サイコミュ」と呼べる代物。サイコミュ含む全センサー類が得た情報が直接パイロットに伝達され、パイロットの記憶や感情、思考までもを取り込み、機体操縦に反映させる。旧型サイコミュと同じ、ブレインマシンインターフェイスの一種。
通常、MCA構造の統括に利用されているが、本機ではバイオセンサーと連動して「リミッターの制御装置」の役割を担う。F91は非常に高性能で最大稼働時の制御すら困難とされ、パイロットを選ぶ機体になってしまった。この為F91を最大稼働状態で扱えない者に配慮し、性能をある程度抑制するリミッターが設けられている。
コンピューター側が「F91の限界性能に対応出来るパイロット≒ニュータイプ(NT)」と判断した場合リミッターが解除された限界稼働モードに移行、F91はその真価を発揮する事が出来る。
また、パイロットに対するナビゲート機能もあり、劇中でシーブックが敵機への対応としてビームライフルでは威力不足と感じた際にヴェスバーの運用を掲示している(但し機体側からの情報受信機能があるパイロットスーツの着用が必要。後継機及び量産型ではある程度改善されている)
最大稼動時には放熱のため、フェイスガードの開放・放熱フィンの展開が行われ、機体表面が剥離する(MEPE:Metal Peel-off effect:金属剥離効果)。これがいわゆる「質量を持った残像」の正体である。なお、フェイスガードが開放されるため、珍しい「口のあるガンダム」である。
F91は確かに高性能・高機能だが、同時にマンマシーンインターフェイスも複雑化して人間の処理能力を超えかねない。F91に関わった技術者はその解決方法に、記憶や感情を有機的にリンクさせるバイオコンピューターを用いた。
思考を有機的にリンクさせる技術はサイコミュで実現していたものの、感応波の強弱で搭乗者を選ぶため一般に普及しなかった。一方でバイオコンピュータは「非NTでも扱える」「個人の力量にあわせたコントロールを行う」など従来のサイコミュに対する答え、そしてマンマシーンインターフェイスの一つの理想型となっている。
ちなみに同時期のF90Ⅱやクラスターガンダムにもバイオコンピュータは搭載されていた。
ホビージャパン92年5月号のF91-MSVではジョン・スコット大佐が本機のテストカラーverに搭乗したとされる。表記に関してはF91[テスト機仕様]とも。
U.C.0123年1月にフロンティアサイドでテストが行われた。胴体部、脚部など一部がオレンジで塗装、各部にマーキングが施され、フェイスガードの開閉装置が間に合わなかったために簡易型で代用している。バイオコンピューターは正常に機能しているらしい。
後の『機動戦士クロスボーンガンダム』の時代に少数が量産されている。
通常機と技術維持目的で製造された増加試作機が存在し、いずれも限界稼働モードとそれに付随する装甲剥離現象がオミットされている。これはF91の限界稼働をまともに扱えるパイロットの少なさに起因する。
宇宙海賊「クロスボーン・バンガード」に所属するあるパイロットは、本機と交戦した際に搭乗者の技量不足を指摘しており、ハリソン・マディンが操縦する青い専用機以外は実際ろくな相手にならなかった。
とはいえ、この時代でも最高級の基礎性能を持ったMSであることには依然変わりなく、クロスボーンガンダムの続編である「鋼鉄の七人」においても活躍している。
指揮官機であるハリソン・マディンの青いF91。
増加試作機をエース向けに改修した専用機で、ヒートシンクとバイオコンピューター等いくつか改良が施され、MEPE無しで限界稼働モードが発揮できるようになっている。このような機体は他にも存在したと言われている。
なお、時期によりカラーリングが異なっていたりするのだが、これは二機目であり、木星戦役の最終局面でも投入されている。木星帝国との決戦「鋼鉄の七人作戦」時に大幅にチューンナップされ、初期試作型からオミットされた幾つかの機能が復活している(これ以前にも細部の更新は継続して行われていたという説がある)。
二機目は当初搭乗していたハリソンから彼の教官であるミノル・スズキへ、そしてその弟子であるミッチェル・ドレック・ナーへと譲り渡されて「鋼鉄の七人作戦」にも参加した。
前述通りベルフ・スクレットが搭乗した時点ではバイオコンピューターは搭載されていないが、『機動戦士ガンダムF90 ファストテストフォーミュラ』のエピローグでは一部設定が改定され、同作後半でディル・ライダーが使用したF90 3号機のAIチップ「TypeK.B.」を代わりに仮設装備し、同時にベルフやディル、F90FF第一部のパッツィ・アンゲリカや機動戦士ガンダムF90のデフ・スタリオンを含む歴代のF90のパイロットの戦闘データを反映している。
エピローグが掲載されたガンダムエース2024年5月号の月刊モビルマシーンでは見出しの名称とAIチップがTypeK.B.であると共にバイオコンピューターを搭載していないため最大稼働モードのリミッター解除は考慮されていないとしているが、オールズモビルを壊滅させたベルフが一番扱いやすい仕様となっているため事実上のベルフ専用機と言える。
掲示板
536 ななしのよっしん
2024/05/16(木) 18:34:38 ID: 7Xr9eby5Y9
>>531
第一期世代モビルスーツが盛られれば盛られるほど、第二期世代の先駆けとなるフォーミュラーモビルスーツは、そこに終止符を打った存在として相応のスペックが必要になるからな。
小型化の流れはコストカットの面があるとはいえ、それでも大型モビルスーツをほぼ駆逐したわけだし、最終的に第一期は大型化を対価にミノフスキークラフト搭載まで行ったわけだからな。
537 ななしのよっしん
2024/05/16(木) 22:25:36 ID: eVP6U8vdwP
しかしこんだけ盛られても最大(?)の謎である1G下での飛行能力の有無は謎のままという
ミノドラは飛べるほど安定して使えなそうだし、ミノクラは流石にデカい、Vに使われているミノフラについては言及なしだがミノドラと同時搭載は流石にないか?
軽くて高出力だから短時間なら推力のみで無理やり飛べそうではあるが
538 ななしのよっしん
2024/08/28(水) 07:27:12 ID: 4KF9trGnAk
もしかしてこいつって総合スペックもF90の全部盛りのF90FFより上だったりするんだろうか。
近代改修すればディキトゥスと相打ちに持ち込めるし
急上昇ワード改
最終更新:2024/12/28(土) 14:00
最終更新:2024/12/28(土) 13:00
ウォッチリストに追加しました!
すでにウォッチリストに
入っています。
追加に失敗しました。
ほめた!
ほめるを取消しました。
ほめるに失敗しました。
ほめるの取消しに失敗しました。