[英] atomic clock
原子時計は、原子や分子の決まった周波数の電磁波を吸収・放射する性質を利用して、その逆数を計算して時間を計測する時計のこと。正式名称は「原子周波数標準器」。
原子や分子は、ある特定の周波数の電磁波を照射されたときにのみ共鳴し、エネルギー状態が励起する。そのときの周波数(共鳴周波数)より逆算して、周期を導き出すことができる。
原子時計の種類としては、セシウム原子が最も一般的であるが、アンモニア分子、ルビジウム原子や水素原子なども用いられる。
国際単位系(SI) の秒の定義は、1967年の第13回国際度量衡総会で採用されたものであり、原子時計における1秒の定義は、「セシウム133原子の基底状態の二つの超微細準位間の遷移に対応する放射の周期の9,192,631,770倍*1の継続周期」となっており、さらに、1997年からは、「この定義は温度0K(絶対零度)のもとで静止した状態にあるセシウム原子に基準を置いている」ことが追記されている。
*1:過去の天文観測結果を基づき、ほぼ1820年時点での自転周期を基に定義した