岡本太郎『沖縄文化論』 (約1200文字・購読時間1分40秒) 東京から初めて沖縄に降り立った岡本太郎(1911-1996)は、王朝文化、戦争、占領、基地など、さまざまな沖縄の生々しい現実を目のあたりにした。何か芸術家としてのインスピレーションを与えてくれるはずだった沖縄で岡本が達した結論は、文化、文明として大成されたものは沖縄にはなかった、ということである。岡本にとって沖縄を感じさせるものは、首里城や琉球王に関する焼き物など文化財のようなモノではない。実在感がないものに感激したのだ。 岡本がいかに自分のものさしというものをしっかり持っていたかがよく分かる。岡本が優れていると思うもの、美しいと…