[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/
東京の明治神宮。神道政治連盟は神社界を母体とする Photo: Noriko Hayashi / The New York Times

東京の明治神宮。神道政治連盟は神社界を母体とする Photo: Noriko Hayashi / The New York Times

画像ギャラリー
ニューヨーク・タイムズ(米国)

ニューヨーク・タイムズ(米国)

Text by Motoko Rich and Hikari Hida

LGBT理解増進法案の成立が国会で目指されている。日本でも同性婚を認めるよう求める声が高まる一方で、性的少数者の権利を認める制度整備は停滞している。その裏には、神道系の政治団体の強い影響力があると、米紙「ニューヨーク・タイムズ」が報じる。

神道系政治団体の政治的影響力


何百万人もの日本人にとって、神道は精神的修行というより文化的な修行だ。毎年正月を迎えると、多くの人が神社に参拝し、新しい年の幸運を祈る。また、恋愛や受験、就職がうまくいくように祈願する人も多い。

このような儀式は、決まった信条の下におこなわれているわけではない。土着の宗教である神道には、公式な教義も経典もない。一方、日本では一般的にほとんど知られていないものの、全国8万社の神社を包括する神社本庁の関係団体「神道政治連盟(神政連)」が、同性愛者やトランスジェンダーの権利などに対する保守思想の声を政治家のあいだに広めようとしてきた。

日本はG7の国のなかで唯一同性婚を合法化していない。2023年5月のG7広島サミットに向け、米国などの駐日大使らは、性的少数者の差別反対と権利擁護を盛り込んだ法整備を日本政府に促してきた。世論調査によると、日本では同性婚が大多数に支持されている。最近も、影響力が非常に強い日本のあるビジネスリーダーが、日本が同性婚を認めないのは「恥ずべきこと」だと発言した。

しかし、神政連など伝統的価値観を重んじる団体からの圧力を受けた議員たちの考えは、世論よりも遅れている。彼らは、同性愛者やトランスジェンダーの権利のわずか一部を支持することさえためらっている。
残り: 3054文字 / 全文 : 3735文字
無料会員になると記事のつづきが読めます。

さらに有料会員になると、すべての記事が読み放題!

読者のコメント 0
コメントを投稿するには会員登録が必要です。
クーリエのプレミアム会員になろう クーリエのプレミアム会員になろう
ニューヨーク・タイムズ(米国)

ニューヨーク・タイムズ(米国)

おすすめの記事

loading

表示するデータはありません。

注目の特集はこちら

loading
  • item.title
    • {{ item.type }}
    • UPDATE

    {{ item.title }}

    {{ item.update_date }}更新 [{{ item.count }}記事]

表示するデータはありません。