転職を考え始めるタイミングは、人それぞれ。給与や人間関係、キャリアアップへの不安など、何かしら悩みを抱えている人も多いのではないでしょうか? 社会人が転職を意識し始める理由やきっかけには、実際にどのようなものがあるのか気になるところ。
今回は、株式会社NEXERと転職エージェント「株式会社RSG」が全国の転職経験がある男女581人を対象に実施したアンケートをもとに、転職を考え始める理由やきっかけ、転職活動を始めるタイミングについて探っていきます。
転職を考え始めた理由・きっかけTO10
【1位】退職を考えたくなるような悪い出来事があった(32.4%)
「上司に嫌がらせをされた」(20代・女性)
「前の職場でパワハラがあったから」(40代・男性)
「人間関係が理由で転職したことが多い」(30代・女性)
「仕事場の人間関係のトラブルで」(30代・女性)
「会長の息子が本店の店長になったため」(20代・女性)
「賞与カット、給与減額・遅延」(30代・男性)
「働いていたところが所謂ブラック企業で心身ともに危険な状態になり、自分の身を守るために退職した」(30代・女性)
最も多かったのは、悪い出来事があったから。なかでも、人間関係のトラブルや上司からのパワハラ、給与面の不待遇を理由に転職を考え始めたという回答が多く寄せられました。ストレスの多い職場で働き続け、心身ともにSOSサインが出てしまったという辛い経験をした方も。
【2位】家庭の事情(18.9%)
「夫の転勤」(20代・女性)
「家族の介護などがあり出勤形態について考えなくてはいけなくなったから」(30代・女性)
「子どもが産まれて、収入が必要なため」(30代・男性)
「結婚をして子どもが欲しいと思ったから」(40代・女性)
家庭の変化をきっかけに転職を考えたとの声も多数。パートナーの転勤や、出産、育児、介護など、ライフステージが変わることで働き方を見直すケースが目立ちます。とくに、家族のために柔軟な勤務形態が必要になったり、収入面での安定を求めたりする理由が多く挙げられました。
【3位】体調不良(10.2%)
「体力がもたなかった」(20代・女性)
「長年のパワハラで、精神的面から体調不良になり、最終的に起き上がれないくらいになったから」(30代・女性)
「体調不良で今までの業務が続けられなくなりそうだったから」(30代・女性)
健康上の理由で転職を考えたとの回答も少なくありません。仕事の負担が大きいために体力的に続けられなくなったり、精神的なストレスが積み重なって働くことが難しくなったり…。パワハラなどによるメンタル面の不調が長引き、深刻な状態になってしまった方も。心身ともに健康でいられる職場環境が大切だと改めて感じさせられますね。
また、4位以降はこのようなランキングとなりました。
【4位】他にやりたい仕事を見つけた
【5位】ボーナス支給後
【6位】年齢を考えて
【7位】会社の倒産・業績不振
【8位】年末年始や新年度の前後、大きなプロジェクトの終了後
【9位】給料が上がらなかった
【10位】上司や同僚が退職したとき
より良いキャリアを求める人もいれば、会社の業績悪化や給与面の不満など環境の変化をきっかけに動く人も。さらに、ボーナス支給後やプロジェクト終了後など区切りのタイミングを見計らって転職するケースもみられました。
転職を考え始めたときの気持ちは「不満やストレス」「将来への不安」
次に、転職を考え始めたときにどんな感情だったのか質問した結果がこちら。最も多かったのは「不満やストレスが強かった(39.8%)」、次いで「将来への不安が大きかった(31.8%)」でした。それぞれの感情を抱いた理由を見ていきましょう。
◆不満やストレスが強かった理由
「出勤日数が大きく減った時に減給され社長からも嫌味を言われた」(20代・女性)
「理不尽な扱いを受けたり、業務内容の共有ができない、全くコミュニケーションにならないなど仕事に支障をきたした」(30代・女性)
「辞めたいことしか考えられないから」(30代・男性)
「負の感情が芽生えた」(20代・男性)
「ストレスで体調を崩した」(20代・女性)
転職を考え始めたとき、人間関係のストレスや理不尽な環境への不満が限界を迎える状況にある人が多いようです。体調を崩すほどの負担が続けば「辞めたい」と思うのも自然な流れですよね。
◆将来への不安が大きかった理由
「お給料が上がらず、サービス残業三昧だったため」(30代・女性)
「収入を増やしたかったから」(30代・女性)
「このままでいいのかと漠然とした不安を抱くようになったから」(30代・女性)
「病気のこともあり、このさき思い通りに働けるのか、希望の働き方が出来るのか不安だった」(40代・女性)
給与の伸び悩みや長時間労働から「このままでいいのか」と将来への不安が募っている、また転職活動で安心して未来を描ける環境を見つかるのか不安に思いながら、転職を検討し始める人もいました。職場環境って実際に働いてみないとわからない部分が多いですもんね…。
転職を考え始める→転職活動を始めるまでの期間は「2~3ヶ月」が最多
最後に、転職を考え始めたタイミングから転職活動を始めるまでの期間を聞いた結果がこちら。「1ヶ月以内」「2~3ヶ月」がボリュームゾーンとなり、早めに転職活動を始める人が多いことがわかりわした。とはいえ、「4~6ヶ月」や「1年以上経ってから」というじっくり時間をかける人も、それほど少なくないようですね。
そこで、それぞれの期間を要した理由も聞いたので一部ご紹介します。
◆1ヶ月以内
「早めに辞めたかったから」(20代・女性)
「すぐにでも転職したかったから」(30代・女性)
「すぐにでもその職場を離れないと自分の身が危険だと感じたから」(30代・女性)
「その仕事を続けるのが難しくなったから」(30代・女性)
◆2~3ヶ月
「いい転職先が見つかればすぐに転職したいと思ったから」(20代・女性)
「疲れて動けなかった」(30代・男性)
「転職が確定すると逆算した結果」(30代・男性)
「いろいろ調べるにはそれくらいの期間が必要だったから」(30代・男性)
◆4~6ヶ月
「なかなか言うタイミングがなかった」(20代・女性)
「迷いがあったのと、準備をしっかりしたかったため」(30代・女性)
「じっくり転職したいと思ったから」(30代・男性)
◆7~12ヶ月
「ゆっくり探せばいいと思ったので」(40代・女性)
「我慢に我慢を重ねた結果」(40代・男性)
「転職後のことなどいろいろ考えてから動いたので、嫌になってすぐではなかった」(50代・女性)
◆1年以上経ってから
「相談できなかった」(30代・女性)
「精神的余裕がなかった」(30代・男性)
「大きな仕事がたびたび入り、無責任な辞め方をしたくなかったから」(50代・男性)
今回の調査から、転職を考え始める理由として人間関係のストレスや職場環境の不満がきっかけになっていることがわかりました。ですが本来、転職は決してネガティブなことばかりではなく、キャリアアップやより働きやすい環境を求める前向きな選択肢のひとつ。大切なのは、焦らず落ち着いて今の状況を見つめ直し、転職の目的を明確にすること。そのうえで自分に合った働き方を見つけていきたいものですよね!(Mai)