日経ビジネスでは1月23日号で「殻を破れ!Panasonic 成長なき40年からの脱却」と題した特集記事を掲載した。昔ながらの思考法と組織を大胆に変革し、競争力を高めようとする巨大企業の姿を描いている。日経ビジネスLIVEでは3月22日、パナソニックホールディングス(HD)の改革を最前線で率いる、玉置肇CIO(最高情報責任者)を講師に招いたウェビナーを開催した。テーマは「強い『松下電器』は復活するか プロCIOが挑む巨艦パナソニックのDX」だ。

玉置氏はプロクター・アンド・ギャンブル・ファー・イースト・インク(現P&Gジャパン)でキャリアを重ね、ファーストリテイリングやアクサ生命保険でもCIOとしてデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進した、国内有数の「プロCIO」として知られる。2021年5月、パナソニック(現パナソニックHD)の経営陣から請われる形で同社のCIOに就任した。連結従業員数が24万人にのぼる巨大組織のDXをどのように進め、さらに今後どう改革しようとしているのか。玉置氏が取り組みの全容とDXの進め方について語った。

(構成:森脇早絵、アーカイブ動画は最終ページにあります)

中山玲子・日経ビジネス記者(以下、中山): 皆さん、こんばんは。本日は「強い『松下電器』は復活するか プロCIOが挑む巨艦パナソニックのDX」をテーマに、パナソニックHD執行役員兼グループCIOの玉置肇さんにご講演いただきます。玉置さん、本日はよろしくお願いいたします。

玉置肇・パナソニックHD執行役員兼グループCIO(以下、玉置氏):皆さん、こんばんは。パナソニックHDの玉置でございます。

中山:玉置さんには1月23日号の日経ビジネス特集「殻を破れ!Panasonic 成長なき40年からの脱却」の取材でもご協力いただきました。ありがとうございます。その際に、入社時に驚いたこととして、パナソニックHDのシステムが想像以上にばらばらだったとお話しになっていたのがとても印象的でした。それでは早速、プレゼンテーションを開始していただきます。玉置さん、どうぞよろしくお願いいたします。

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