痛みを放置してはいけない！　脊椎疾患のエキスパートが「早期診断・早期治療が鉄則」と語る理由

痛みを放置してはいけない　一日も早く適切な治療を

「前々から腰に痛みを感じているが病院には行かず、湿布と鎮痛剤で痛みを我慢していたという方が、ふと思い立って当院を訪ねてこられるケースがあります。話を聞くと、痛みは10年も20年も前からあり、背骨のレントゲンを撮ってみると明らかな異常所見を認め、『脊柱管狭窄症です』と診断をお伝えすると驚いた顔をされる。そのような患者さんが近隣地域には多いと感じています」

　博豊会東京脊椎病院の森俊一理事長は、開院から1年余りの感想をこう語ります。

「足立区は広い面積の割に公共交通網が未発達なため、移動を車や自転車に頼りがちになり、あまり歩かない方が多い。すると、歩行時に現れる痛みやしびれを特徴とする脊柱管狭窄症などの疾患に気付きにくくなるのだろうと推測しています」

　問題なのは、長く放置された脊柱管狭窄症などの脊椎脊髄疾患は、たとえ原因となっている狭窄を手術で解決しても、脊椎の中を通る神経（脊髄）が長年の圧迫により過敏になっているため、難治性の神経障害性疼痛に移行しかねないことだと森理事長は言います。

「神経障害性疼痛には通常の痛み止めが効かず、これに特化した治療薬もごくわずかしかありません。将来このような苦境に陥らないためにも、今、足腰の痛みやしびれを感じている方は、まず脊椎疾患についての正しい情報を集め、できるだけ早く脊椎外科のある医療機関にアクセスすることをお勧めします。脊椎疾患は早期診断・早期治療が鉄則です」

経験豊富な医師による高難度・低侵襲の脊椎手術

　同病院には現在、各種の脊椎脊髄手術で豊富な実績を誇る医師が5名在籍。これらの医師が、椎弓部分切除術、椎弓形成術、ヘルニア摘出術などの神経除圧術や、インプラントを使う脊椎固定術（PLIF、XLIFなど）から、内視鏡下で行う腰椎椎間板切除術（FED）や腰椎椎弓切除術（FEL）などに至るまで、あらゆる脊椎疾患を対象に多種多様な術式を駆使して治療を行っています。また、これらの複雑で高難度の術式を支えるため、 Oアーム（術中モバイルCT）、ナビゲーションシステムなど大学病院でも導入の少ない高度機器、システムを完備し、専門病院ならではの安全性の高い低侵襲手術を実現しています。

　他方、「回復期リハビリテーション病床23床を備えているのは、切れ目のない治療・ケアの提供という当院の診療理念に沿ったものです」と森理事長。

「私たちの診療姿勢と治療実績を信頼していただいたためか、最近は患者さんがご家族や知人を当院に紹介してくださる例が増え、さらに嬉しいことに、近隣のクリニックや病院の先生方が患者さんを送ってくださることも多くなりました。その信頼にお応えして、今後も足立区の皆さまの足腰の健康のために尽力していく所存です」