いまは大きな社会問題として捉えられている立ちんぼが、かわいそうな存在ではないとはどういうことなのか。彼女たちの本音について調査してみた。
まず話を聞いたのは、立ちんぼ歴2年だという花村優奈さん(仮名・24歳)。さっそく、世間一般で抱かれている立ちんぼのイメージへの率直な意見を聞かせてもらった。
「ここに2年いて思うけど、ほんとうの意味で金銭的に困ってる人なんて10人も見たことないですよ。ほとんどがホストやメンコンとかの、言っちゃえば娯楽に使いたいから稼いでいるわけで、いまは話題になっているから大久保公園で立つのは効率がいいってだけです。私も、半年前までは担当がいて、彼に月150万円くらいは貢ぎたいからって立ち続けてました」
だが、別の意味での“貧困”には心当たりがあるという。
「ここに来るコたちは、みんな心が貧しいってのはたしかにあります。家で虐待を受けて誰にも守ってもらえなかったり、学校や職場で理不尽ないじめに遭って心の拠り所がなかったり。それで彷徨って、『なんか楽しいことがありそう』って直感だけで歌舞伎町に来た結果、ホストにつけこまれて気づけば売春で荒稼ぎすることに必死になっていく。だから、『立ちんぼを救いたい!』なんて主張する人たちには、まずはどんな環境にいる若者も、心が健康なままで生きていけるような社会をつくることを意識してもらえたらなって正直思います。立ちんぼたちの心の拠り所になっているホストやメン地下から無理やり引き離すんじゃなくて、根本的な問題に寄り添ってくれるっていうなら、聞く耳を貸すコもいるんじゃないですかね」
そんな優奈さんが立ちんぼになった背景は何だったのか。