『近世説美少年録』と続編『新局玉石童子訓』は、八犬伝の作者・曲亭馬琴が晩年に手がけた読本です。馬琴の死によって未完に終わりました。 以下が、あらすじです。 阿蘇攻め(序章) 中国地方の大名大内義興は、肥後阿蘇山で蜂起した南朝の残党、菊池武俊の征伐へ赴く。義興の麾下には、大江備中介弘元がいた。【リンク先を参照】 阿夏瀬十郎 陶瀬十郎興房は大内義興の近習で、家老陶政房の子。義興が京都に連れてきた。二十一歳の美男子。公家とも付き合いがある。 ある雨の夜、雨宿りした観音堂で同じく雨宿りしていた美しい芸妓、阿夏と出会う。 阿夏は母の薬代などで困窮し、彼女に懸想する客の末松木偶介に金を借りるなどして、恩を…