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菅義偉首相が日本学術会議の一部新会員の任命を拒否した問題を、海外の科学誌や主要紙などが批判的に報じている。「学問の自由」の侵害として脅威視する見方が目立つ。世界各国で発生している事例の最新ケースとして注目を集め、日本の国内問題にとどまらなくなっているようだ。主要な報道を紹介する。【和田浩明/統合デジタル取材センター】 英ネイチャー ブラジルやインドの例とともに紹介 英科学誌ネイチャー(電子版)は6日付の「ネイチャー誌が政治を今まで以上に扱う必要がある理由」と題した社説で言及した。 まず、トランプ米大統領による科学軽視などに触れ、世界の政治情勢に関する記事を増やす考えを表明。その上で、「脅威に直面する学術的自律」との小見出しが付いた一節の中で、学問の自由を保護するという原則を「政治家が押し返そうとしているとの兆候がある」と強い懸念を示した。この原則は「近代の科学の核を成すもので、数世紀にわた
マニフェストと言えば、総選挙(衆院議員選挙)。総選挙と言えば、マニフェスト。各政党が作成し、選挙の前に配布する政権公約集のことである。この用語は、有権者の間で広く一般的に認知されるようになってきていると思われる。しかし、マニフェストは日本の政治をより良くすることに役立っているのだろうか。選挙の結果は、各党が作成するマニフェストに対する支持・不支持を反映しているのだろうか。 マニフェスト選挙18年、続く自民党の圧勝 マニフェストの起源は19世紀における英国の総選挙とされているが、日本の総選挙で各政党が初めてマニフェストを作成・配布したのは、18年前の2003年11月である。2003年10月の改正以前の公職選挙法では、枚数、サイズなど厳密に規定されたビラ以外、政党が政策資料を作成して頒布することすら禁止されていたのである。 それから18年。マニフェスト選挙元年に生まれた赤ちゃんの多くは、今年1
大和郡山市にある県立民俗博物館が、収蔵品を保管する施設の問題から、今月16日から展示の一時休止を決めたことについて、山下知事は収蔵する資料が多すぎるとしたうえで「明確なルールを決めたうえで、価値のあるものは残して廃棄することも検討する」と述べました。 大和郡山市にある県立民俗博物館は、50年前の1974年に開館し、大正から昭和初期にかけての生活用具や農具などおよそ4万5000点の資料を収蔵しています。 しかし本館だけでは保管場所が足りず、資料の劣化が懸念されているうえ、施設も老朽化していることから、本館の展示スペースを今月16日から一時休止することを決めました。 これについて山下知事は10日の定例会見で、県民などからの要望に応じて無計画に受け取っていたとしたうえで「同じような農機具を保管し続ける意味がどこにあるのか。未来永劫(えいごう)、県が保管する必要も無いし、スペースも無い。明確なルー
長年、魚類の研究を続けている上皇さまが2種類の新種のハゼを発見されたと宮内庁が発表しました。 上皇さまの研究論文は5月、日本魚類学会がオンラインで発表しました。 新種のハゼはいずれも温かい海に生息するオキナワハゼの一種で、「アワユキフタスジハゼ」「セボシフタスジハゼ」と名付けられました。 上皇さまは皇太子時代から魚類、特にハゼの研究を続けていて、今回は沖縄県の座間味島で採取されたハゼの標本を細かく調べるなどして新種であることを突き止められたということです。 2種類とも体長は3センチほどで、頭にある感覚器などに特徴があるということです。 上皇さまは退位された後も週に2日ほど皇居の生物学研究所に通われています。 上皇さまはこれまでに何度も新種を見つけていて、発見された新種はこれで10種類になります。
中国人民大の卒業式で新型コロナウイルス感染症の犠牲者に黙とうをささげる学生ら=2020年6月、北京(ゲッティ=共同) 【北京共同】中国共産党はこのほど大学の研究や教育の場で党の社会主義思想や歴史観を徹底し、教員や学生の思想監視を強化する規則を通知した。一党支配の下でこれまでも制約を受けていた「学問の自由」は監視強化により完全に否定された形だ。 規則は高等教育機関における「党組織工作条例」の改定版で、4月16日に通知された。改定前も「毛沢東思想」や「愛国主義」などの教育をすると規定していたが、改定版は思想教育を「最優先する」と強調し「習近平の新時代の中国の特色ある社会主義思想」を徹底するよう要求。巡視活動を定期的に実施し、不十分な場合は警告処分などもあり得るとしている。
政府による学術会議会員候補の任命拒否 の 撤回をもとめる 日本科学史学会 会長 木本忠昭 2020 年 10 月 11 日 日本学術会議第 25 期の発足に当たって政府は日本学術会議が選出した会員候補 のうち6人の任命を拒否した。日本学術会議法に則って科学者の識見にもとづいて選出した候補を政治的立場から拒否する今回の措置は、法や日本国憲法第 23 条に規定された学問の自由を蹂躙する行為であり、到底容認できないものである。直ちに6人を任命するよう求める。 日本学術会議は、 戦前の学術研究会議、帝国学士院、日本学術振興会を再編して1949年に内閣総理大臣の所轄の下、政府から独立して職務を行う「特別の機関」として設立された 。 その設立根拠を示す日本学術会議法 前文には、科学が文化国家の基礎であるという確信に立って、科学者の総意の下に、わが国の平和的復興、人類社会の福祉に貢献し、世界の学界と提携
武田 紘樹 @tomatoha831 研究者辞めようかな。月30万円では家族の生活を支えられない。家族を巻き込んで耐え続けたところで安定した仕事に就けるか分からない。研究者の人生を舐めてるとしか思えない規則や待遇、環境や態度しかない。自分達の世界が異常なことに気づいていない。最近毎日妻と家計や将来のことで喧嘩してる。 2023-09-12 23:03:25 武田 紘樹 @tomatoha831 お世話になっている周囲の研究者は、研究者としてのキャリアを考慮しながら親身に相談に乗ってくれるし、与えられた条件の中で最良の選択肢を一緒に考えてくれて、本当に尊敬しているし感謝で頭が上がらない。何としても期待に応えたい。が、しかしお金。 2023-09-12 23:58:10 ToyookaLab @LabToyooka お気持はよく分かります。私は何度か仕事を失いかけて、もう数ヶ月でクビですという
イグ・ノーベル賞(Ig Nobel Prize)は、ノーベル賞のパロディー(裏ノーベル賞)として「人々を笑わせ、そして考えさせる研究」に対して贈られるものです。科学ユーモア雑誌「Annals of Improbable Research」の編集者マーク・エイブラハムズ氏が 1991 年に創設し運営されています。ノーベル賞と同じく複数の部門があり、毎年 5000 以上の研究や業績の中から選考されます。イグ・ノーベル賞を手渡すプレゼンターは、ノーベル賞受賞者が行っています。授賞式は2023年9月14日18時(アメリカ東部時間)にオンラインで行われ、1996 年にノーベル生理学・医学賞を受賞したピーター・ドハーティー氏によって授与されました。
日本学術会議は28日に開いた幹事会で、菅義偉首相が任命を拒否した会員候補6人について、4月の総会までに任命することを菅首相に求める声明を全会一致で決定した。近く井上信治・科学技術担当相に提出する。4月には学術会議の今後のあり方改革の方針を議論する総会が予定されており、梶田隆章会長は幹事会後の記者会見で「極めて重要な意味を持つ総会になるので、(定数の)210人の会員がいる状態で(方針を)決めたい」と述べた。 声明文では、6人を欠くことで「運営や職務の遂行に支障をきたす事態となっている」と指摘。また日本学術会議法で定めた定員を満たさない状態が続くため「会議の独立性を侵す可能性がある。是正できるのは任命権者の首相しかいない」と強調した。
文学通信|多様な情報をつなげ、多くの「問い」を世に生み出す出版社 日本語・日本文学の研究書を中心に、人文学書全般を刊行する出版社、文学通信のブログ。 文学だけにこだわらず周辺領域も含め、意欲的に刊行していきます。 出版活動と同様に、webでも積極的に活動することで、多様な情報をつなげ、多くの「問い」を世に生み出していきたいと思います。 〒113-0022 東京都文京区千駄木2-31-3 サンウッド文京千駄木フラッツ1階101 電話03-5939-9027 FAX03-5939-9094 info@bungaku-report.com インボイス登録番号:T4011501023591 2023年9月30日、ジュンク堂書店池袋本店で開催された『検証 ナチスは「良いこと」もしたのか?』(岩波書店)刊行記念イベントでは、著者の小野寺拓也さん、田野大輔さん、そして『土偶を読むを読む』(文学通信)編著
なぜ人は苦行に挑むのだろうか。 例えば、山登りに魅入られた人たちがいる。険しい山道、過酷な環境、命の危険と隣合わせな状況に身を置くとわかりつつも、彼らは山に登る。 非日常な体験、壮大な景色、そして山頂にたどり着いた瞬間の達成感。そんな魅力が彼らを山に誘っているのだろう。 そしてそれはゲーマーの世界でも同じことが言える。 頼れる仲間を集め、レベルを上げ、装備を整え、強大なボスに挑む。苦しいこと、辛いこと、大変なことがあったとしても、その先にあるゲームクリアという目標があるからこそ、ある程度の苦行は楽しさに昇華されるわけだ。 わかる。ここまではわかる。 しかし世界は広い。この世には、レベルを上げない、装備も集めない、技やスキルを封印するetc……など、まるでエベレストに近所のコンビニへ出かける格好で登ろうとする者たちがいる。 やりこみゲーマー、狂人、偉大な変態、プロのドM……呼称はさまざまだが
イリノイ大学医学部薬理学科 Assistant Professor 米国NPO法人 海外日本人研究者ネットワーク(UJA)理事 日本の国民は皆勤勉で真面目で働き者だ。ノーベル賞受賞者も多数輩出し、一昔前までは科学立国になることを期待されていた。ところが論文引用数や大学ランキングなどの数値で見る日本の地位は下がる一方だ。なんでこんなことになってしまったのか、ここから巻き返すにはどうしたらいいのか、そう考察する記事はいくつもある。当記事では在米研究者の目から見た日本の問題点と改善点について提案したい。 日本の科学の“現在地”は 1990年代後半から日本の科学の衰退は始まった。実際、データを見ると2000年過ぎからの大学からの論文数減少より前に、企業からの論文は1996年から減少傾向になっている。 そして、Top10%被引用論文数で見ると、1997-1999年頃は世界4位だったが、その後、どんど
2013年に発売されてベストセラーとなった「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶応大学に現役合格した話」の主人公のモデルになった小林さやかさん(34)が今年春、アメリカ・ニューヨークにある名門コロンビア大学の大学院に合格しました。大学受験の時に学んだ英語は、すっかり忘れてしまい、15年ぶりに英語の勉強に挑戦したといいます。アメリカの一流大学院に合格するほどの英語力をつけた小林さんに英語の魅力や勉強方法を聞きました。 英語は、大学受験のために高校2年の夏から勉強を始めたという小林さん。「『Hi,Mike!(ハイ、マイク!)』を『ヒー、ミケ!』と読んでいたほど英語はできませんでしたね。プリクラ(プリントシール)で使っていたから、ローマ字だけは読めたんです」と笑います。
岡山大学を正常化する会このホームページでは、皆様に現在の岡山大学の諸問題を事実に基づいてお伝えし、岡山大学を「正常化」するためにはどうすればよいのかを一緒に考えたいと思います。 現在、全国のいくつかの国公立大学で、学長がその権限を使って、独裁的で恣意的な大学運営を行い、本来自由闊達な学問の府であるべき国公立大学の活動に支障をきたしていることを皆様はご存知でしょうか。私たち岡山大学も、その例外ではありません。大学構成員の「民意」を無視した槇野博史現学長による専制的大学運営の下では、大学の方向性を見誤るだけではなく、大学構成員は精神的に萎縮して、物言えぬ状態になります。私たちは、「民意」を理解し、正しいガバナンス認識を持つ学長が先頭に立ち、のびのびと教育・研究・社会活動に励むことより、国家・国民に寄与すべき本来の国公立大学の使命が果たせると思っています。それが、私たちの求める岡山大学の「正常化
人生終わったおっさんが大学院に入り直したアラフォーで急に目覚めてしまい、とある大学院で、博士号を取りたくて、大学院に入り直した。 社会人大学生というやつだが、実際は親戚の会社で形だけ在籍している。 ってか、人生でほぼ働いたことがない。形だけ親戚の会社に在籍し続けているが、特に仕事もない。 青春を取り戻そうとした自分は、大学は出たし、修士も取ったんだけど、学部や修士は典型的な陰キャオタクだった。 いや、オタクというか、パチンコだの麻雀だのして、風俗ばっかり行ってた。 本物の陰キャなので、アラフォーで彼女もできたことがない。 そんな自分だが、博士課程に入り、研究も、理論系で、パソコンパチパチやるだけで、特に実験はない。論文は二年目始まったくらいには3本出して、卒業は余裕でできることが確定した。 それで、青春を取り戻したいと思った。 大学の授業とか、サークルはオッサンだから入れないけど、学生団体
日本学術会議の会員選考で、菅義偉首相が学術会議の新会員候補者のうち6名を任命しなかったことが批判を招いている。筆者は、2011年から17年まで同会議の会長を務めた。学術会議の活動を紹介しつつ、この問題を考えてみる。 微細なプラスチック片が分解されずに海に滞留し、摂取した魚、さらに人に害を及ぼすから、プラスチックの利用を大幅に削減しようというキャンペーンが、レジバッグ有料化やマイバッグ携帯につながった。このきっかけの1つは学術会議が海外の学術会議と手を携えて行った提唱であった。 学術会議は、大学や企業の研究者等の代表が学術の観点から社会や政府へ提言、国際協力を行う組織で、発足して72年になる。210人の会員と約2000人の連携会員が、専門分野や分野横断的なテーマについて審議する多数の検討委員会を組織している。身分は非常勤国家公務員で、会議出席の際に旅費や手当は支給されるが、会長を含めて給料や
退職エントリってやつです。 私は現在、国立大学で助教をやってます。 そこを今年度いっぱいで辞め民間企業に行くことにしました。 5年任期の3年目を終えるところでの転職です。 思えば学部4年からから10年以上、土壌や微生物の研究をしてきました。 学位取得後はポスドクとして北は宮城から南は沖縄まで、場所を変え、テー を変え、必死にアカデミアにしがみついてきました。 そしてやっとのことで3年前に大学教員になれました。 しかしこのポジションは任期付き(5年、更新なし)なので、安心も慢心もきません。 大学着任の直前に出たこんな記事が界隈では話題になっていましたhttps://anond.hatelabo.jp/20180326180513 この筆者も私と同じ境遇(任期付き助教、更新なし)で、次が決まらずに所属先を去っています。 こうはなるまいと、現職に着任したその日から転職活動を始めていました。 着任
by fetcaldu 人間はイライラしたり怒ったりした時に叫び声を上げることがありますが、イスラエル・テルアビブ大学の研究チームが行った実験から、「植物もストレスにさらされた際に超音波の悲鳴を上げている」ことが判明しました。 Plants emit informative airborne sounds under stress | bioRxiv https://www.biorxiv.org/content/10.1101/507590v4 Plants 'Scream' in the Face of Stress | Live Science https://www.livescience.com/plants-squeal-when-stressed.html 植物は周囲で何が起きようともじっとして動かない存在のように思われがちですが、人間をはじめとする動物と同様に、植物はさまざ
本記事はnoteに記載した記事に加筆修正を加えたものです。 2023/12/31 2024/5/23 追記 10年スパンでの論文執筆の考え方 研究者として生活していく上で、学術論文は1本でOKというわけにはいかず、分野ごとで数字の大小はあるでしょうが、数十本オーダーで書いていくことになります。学術論文1本を書く上での心得みたいなものは様々な記事がありますが、なかなか十年単位の話はないので書いてみようと思いました。ここでは、制御工学の研究を博士の3年間、国立大学の教員16年間行ってきた中での複数論文を書いていく実体験を中心に、10年スパンでの研究論文の書き方やコツを紹介したいと思います。 ちなみに、LaTeXによる論文執筆の記事も書いていますのでこちらもよかったらご覧ください。 10年スパンでの論文執筆の考え方 著者の実績 論文執筆時の研究者スタンス 同時並行で進める研究のテーマ数 研究者と
バイオインフォマティクス領域の著名な研究者で、東京大学大学院新領域創成科学研究科先端生命科学専攻の教授を務めていた岩崎渉氏。岩崎氏の大学公式ウェブサイトや研究室ウェブサイトが2024年4月初めごろに突然閉鎖され、「何が起こったのか」といぶかしむ声がバイオ業界で上がっていた。同年12月11日、岩崎氏が本誌の取材にオンラインで応じ、現在の状況と心境を語った。 1983年生まれ。2005年東京大学理学部生物化学科卒業。2009年同大大学院新領域創製科学研究科博士後期課程修了(博士・科学)。同大大気海洋研究所地球表層圏変動研究センター講師、同大大学院理学系研究科生物科学専攻准教授などを経て、2021年より同大大学院新領域創成科学研究科先端生命科学専攻教授。 岩崎氏はこれまでに、魚類や哺乳類の環境DNA解析技術の開発や、微生物などの進化をゲノム情報から分析する研究など、多数の研究を手掛けてきた。20
ぼくがTwitterで『シン・ウルトラマン』を駄作だとけなしたあとアカウントを削除した件についていろいろな憶測が飛び交っているのを見てヒョエーってなりました。そのなかには、もちろん当たっているものもあれば事実ではないこともあります。ちょっと放置できないので、なぜぼくが垢消しをしたか説明します。 「表自戦士」ないしは業界からなんらかの圧力があったのが垢消しの原因ではないかという憶測はまちがいです。たしかに数年前から取引先や非常勤先などに「電凸」や「お気持ちメール」などが来ることがあり、それは不当な嫌がらせだとは思っていますが、そういう理由であれば、ぼくはむしろ喧嘩をするはずです(というか現在進行形でしています)。 また、ぼくが「フェミ」であるというのは完全な嘘です。デジタルイラストのことを90年代の人は「CG」と呼んでいたのですが、ぼくはその「CG」で美少女を描くこと、そしてほぼ同時期に市場
読売千人計画叩きは頭脳流出を「抑止」? 読売新聞が今年の元旦以降「千人計画」を槍玉にあげる記事の掲載を続けるなか、私は繰り返しこれらの記事の問題点を指摘してきた。 例えば、3月末の記事「読売新聞「千人計画」特集が覆い隠す日本の基礎科学の危機」では、中国へ流出する日本人の大学研究者が増えている背景には、「高給引き抜きによる先端技術獲得の動き」というよりは、「中国の大学が近年研究レベルを大きく向上させる一方、日本では大学の研究環境の悪化が続き、基礎研究分野の人材が流出している」という事情があることを指摘した。 つまり、日本側が「技術流出」を警戒する一方、千人計画採択者を含め、中国の日本人研究者の多くは、そもそもそういった流出させる技術を持たない(技術者や工学研究者ではない)基礎科学の研究者が主体であり、この現象の実態は、中国に「引き抜かれている」(プルの要因)というよりは日本側が積極的に「追い
「日本の大学がトップ10にない」「トップ100以内に少ない」ことばかり取り沙汰される世界大学ランキングだが、実は500位以内およびその近傍にまで視野を広げると、日本は2010年時点ではランクイン数で米英独に次ぐ世界第4位を誇っていた。ところが2022年には国別で8位まで後退し、中国に抜かれ、韓国と同順位になっている。 「日本の大学システムは『頂点の高さ』ではなく『層の厚み』が特徴であり良さだったが、これが今や失われつつある」――『国立大学システム 機能と財政』(東信堂)を著した島一則・東北大学大学院・教育学研究科教授の見解だ。旧帝大などとの大学間格差が広がる、地方国立大学の教育・研究環境の悪化とその原因について島氏に訊いた。 現在の国立大学への予算配分は、全体の食糧給付を減らして一部に栄養ドリンクを配るようなもの ――現在の地方国立大学の教育・研究の窮状から教えてください。 島 これからお
<日本で科学の危機が叫ばれて久しいが、海外経験豊富な研究者たちはどう捉えているのか。4人の日本人科学者に集まってもらい、「選択と集中」など日本の科学界の問題点、欧米との絶望的な格差、あるべき研究費の使い方について語ってもらった。本誌「科学後退国ニッポン」特集より> 日本は「科学後進国」なのか。日本の研究・教育環境と海外との違い、そこから見える問題点と解決策とは。 アメリカやイギリスの一流大学や研究所で勤務経験があり、現在は東京大学や東京工業大学で助教、准教授として働く30代後半の研究者、仮名「ダーウィン」「ニュートン」「エジソン」と、国内の大学で学長経験もある大御所研究者「ガリレオ」の計4人に、覆面座談会で忌憚なく語ってもらった。 (収録は9月25日、構成は本誌編集部。本記事は「科学後退国ニッポン」特集掲載の座談会記事の拡大版・前編です) 日本は「科学後進国」か否か ダーウィン 僕の専門分
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