「オカルト」鑑賞。 「あぁ!神さま!仏さま!」 って、ようするに何でもイイんである。これは「警察!助けて!」とか「政府!助けて!」じゃないのが特徴で、現実的な救済は無いし見込めないと知ってしまったが故に神さまか仏さまでも何でもイイから現状を救ってくれ!という事だ。この世ならざる超越した力でも無いかぎり現状打破は出来ない!っと、それまでちっとも信心なんて無いのにコロリと“アッチ”の世界に踏み込む。 近年、POVだとかモキュメンタリーなどの表現手法は特に珍しく無くなっている。森達也の「ドキュメンタリーは嘘をつく」を免罪符に演技演出のあるドキュメンタリーまで登場している以上、ゴダールの言う“ドキュメンタリー”と、従来のいわゆる“ドキュメンタリー”を隔てるかきねは、少なくとも製作者側の意識の中には、もはや完全に無くなったと言える。 「オカルト」は映画監督白石晃士(本人)が、ある無差別殺人事件を追っ