元サッカー日本代表の宮本恒靖が、ボスニア・ヘルツェゴビナの紛争地モスタルに、異なる民族の子どもたちが共にサッカーなどを学べるスポーツアカデミー「マリモスト(現地語で『小さい橋』の意)」の開設を進めている。 きっかけは2012年から通ったFIFA(国際サッカー連盟)とCIES(国際スポーツ研究機関)が運営する修士課程、「FIFAマスター」の最終プロジェクトだ。宮本を含む5人のグループで「ボスニア・ヘルツェゴビナのモスタルに、民族融和と多民族共栄に寄与するような子ども向けのスポーツアカデミーを設立できるか」という研究を発表した。この発表がメディアを通じて世に出た結果、外務省やJICA(国際協力機構)、UNDP(国連開発計画)といった多くの関係機関が興味を示し、プロジェクト実現に向けて動き出した。 彼はなぜ聞き慣れない「民族融和」という問題に興味を持ったのだろうか。異国の地で何を成し遂げようとし