世界の言語は、「声調言語」と「アクセント言語」に大別されます。英語や日本語はアクセント言語であるとされています。声調言語の代表格は中国語です。 声調とは、文章が読まれたり会話がなされたりする際、1字読まれるごとに、その字が発音されるのと同時に、その1文字分の発音全体に被せられる音の高低、つまりトーンのことです。 声調言語の特徴は単音節の音長が長いことです。北京語の単音節語「米」は発音記号で「mi」と書いても、実際発音してみれば「mii」のように長く伸ばします。 北京語では母音が伸びることは声調調値の形成に大いに関係があり、北京語の声調の仕組みは五線譜記述法で示すと、次のようになります。 上に示したように、北京語の声調調値はα、β、γのような音符をつなぐことによって作られていると考えられます。α、β、γをそれぞれ1拍とすると、東京弁の単音節語には1拍しか含まれないのに対して、北京語の単音