JASRAC(日本音楽著作権協会) 企画部 部長 野方 英樹 新たなインフラ・サービスの登場は,音楽著作物の著作者や実演家などクリエータにとって,基本的に歓迎すべきものととらえている。ビジネスの可能性は?安全性は?と期待に胸を膨らませているものである。NGNとて例外ではない。が,ネット上の情報を読んでも,配信ビジネスを営む周りの経営者に聞いても,クリエータ側に立つ者として今ひとつ具体的なイメージがわかないのはなぜだろうか。 いろいろ考えた末,消費者であるユーザーの存在感が希薄だからではないだろうか,ということに思い当たった。NTT東日本は,「フレッツ 光ネクスト」というサービス名でNGNを一般向けに商用化しているが,そのことを知る人が多くいるとは思えない。つまり,コンテンツの流通を支えるべきユーザーが見えないのである。 なぜユーザーが見えなければならないのか。ここでは,デジタル・ネットワー