ほぼ枯れ果てた樹齢数百年のオリーブたち イタリア最大のオリーブ油の生産地、南部のプーリア州でオリーブの木が枯れるピアス病が蔓延し、これまでに全体のおよそ10%に当たる100万本余り(面積にして約20万ヘクタール)が被害に遭って死滅した。 ピアス病菌は南米から渡ってきたもので、感染するとオリーブの木は根元から水を吸い上げられなくなり枯れてしまう。人間には無害だが200種類以上の植物を死滅させる毒性を持つとされる。これまでのところ病菌を退治する方法は皆無である。 オリーブは何百年にも渡って生きる生命力の強い木。樹齢千年を超えるものもある。だがピアス病菌に侵されると、樹齢数百年以上の強靭なオリーブもあっけなく枯れてしまう。基幹作物の変事に地元のプーリア州のみならずイタリア中が強い危機感を抱いている。 病気が流行り出したのは2013年。病気発生から2年後の昨年、イタリアのオリーブ油生産は激減。およ