著書を手に、子育てについて語る土井高徳さん=北九州市若松区で2022年10月19日午後4時4分、平塚雄太撮影 「怒鳴る子育てにメリットなし」――。そう断言するのは里親として40年超にわたり、150人以上を育ててきた土井高徳さん(69)だ。そんな土井さんが、自身の子育てについて1冊の本にまとめた。親なら誰でも怒鳴りたくはないが……土井さん、秘訣(ひけつ)を教えてください! 戦災孤児を育ててきた両親の影響を受け、土井さんが里親の活動を始めたのは1976年。引きこもりや非行、親への暴力などの問題で手に負えなくなった子を、家庭や児童相談所から引き取るようになり、日本で唯一の「治療的里親」とも言われている。 里親をしながら49歳で大学院に入り、児童福祉を学んで56歳で博士号も取得。現在は、厚生労働省が認定するファミリーホームとして「土井ホーム」を北九州市内で運営しながら、小学生から20歳前後まで5人