LGBTQなど性的少数者への配慮として男女の区別をしないオールジェンダートイレの設置を巡り、埼玉県の政策などについてネット上で虚偽情報が流され、先月、大野元裕知事が二度にわたって記者会見で否定する事態が起きた。経緯を振り返り、背景を考えた。(浅野有紀、杉原雄介) 始まりは、四月に出たあるネット記事だった。県が昨年制定した「性の多様性を尊重した社会づくり条例」に基づく指針でオールジェンダートイレの設置を検討していることを取り上げ、「トイレも更衣室も男女共用?」と刺激的な見出しが躍った。 すると「埼玉県が女性トイレを廃止・減少させる」などの情報がネット上にあふれた。大野知事は五月二日の定例会見で「全く事実ではない」とし「(障害者用などの)多目的トイレを拡大するといったことを想定している」と説明した。 しかし、一週間後には蕨市の介護施設元職員を名乗る人物が「施設のトイレと更衣室が男女共用になり、