『バブルへの迷走』 ポール・クルーグマン 21世紀最初の10年に 発生した「革新的」住宅ローンの破裂は大惨事以外の何ものでもない 2007年12月23日 日曜日 PAUL KRUGMAN ◆Blindly Into the Bubble ◆バブルへの迷走 ポール・クルーグマン 1945年、日本降伏を告げる「玉音放送」において、裕仁天皇 は自らの決定を次のような有名な言葉で表した。「戦局必スシモ好転セス世界ノ大勢亦我ニ利アラス。」今週、連邦準備理事会ベン・バーナンキ議長が住宅ローン業界の規制を若干強化するという遅すぎる決定をした。この決定 自体、馬が逃げ出してしまった後に馬小屋の鍵をかけるようなものだったわけだが、その際の釈明も、この裕仁天皇の表現に通じるものがある。 いわく、「市場の規律が乱れが散見され、慎重な融資手続きを取ろうとする動機付けに欠ける場面もあった」。ずいぶんと控えめな表現で