自民党で、厚生労働省の分割論が浮上している。小泉進次郎氏ら若手議員を中心とした「2020年以降の経済財政構想小委員会」で、厚労省のあり方の議論を始めた。小泉氏は「行政のあるべき姿として厚労省が今のままでいいとは誰も思っていない」と組織の見直しに強い意欲を示し、5月中にも分割案をまとめるという。 塩崎恭久厚労相は「行政改革で1つの官庁を狙い撃ちにするのはおかしい」と反発しているが、稲田朋美政調会長は小泉氏をバックアップする構えだ。厚労省の破綻した社会保障システムこそ、財政赤字の元凶だからである。 社会保障の赤字の穴埋めが政策経費の半分以上 社会保障給付は、2015年度で約110兆円。これに対して社会保障特別会計には65兆円しかないので、一般会計から社会保障関係費31.9兆円を支出している。厚労省一つで一般会計の総額を超える110兆円もの予算を管理し、その3分の1が赤字という異常な状態だ。 こ