マクロな視点でエージェンシープライシングモデルを考えてみると、そこには書店の存在が大きな意味を持っていることが分かる。ここでは、世界的な書店の動向を紹介しながら、今後起こり得るシナリオを予測してみよう。日本でも長い目で見ればこうした動きに追従するのだろうか。それとも……。 電子商取引の巨人Amazonは、ここ5年で確実に電子書籍市場の大多数を獲得した。Appleが2010年にiBooks Storeの立ち上げを決定したとき、同社は競合するための売りを必要としていた。スティーブ・ジョブズ氏はHachette、Macmillan、Penguin、Harper Collins、Random House、Simon & Shusterの重役と会合し、市場の均衡を図り、すべての再販者が従う必要のある電子書籍プライシングを設定するスキームを考案した。これによりAppleの新電子書籍ストアは勢いを得て、