神戸市の私立灘中・高校で、中勘助の小説「銀の匙(さじ)」を3年間読み込むというユニークな授業を行い、「伝説の国語教師」と呼ばれた橋本武(はしもと・たけし)氏が11日午後、神戸市の病院で死去した。101歳だった。京都府出身。 東京高等師範学校(現筑波大)を卒業後、1934年から50年間、灘校で国語教師を務めた。「生涯、記憶に残る授業がしたい」との思いから、戦後の墨塗り教科書を使わず、中学3年間で一冊の小説を読み上げる授業を30年以上継続した。99歳だった2011年には、27年ぶりの特別授業として灘中の教壇に立った。