アメリカが清らかだったことはかつて一度もない。われわれは移民船のなかで純潔を失い、それを悔んだことは一度もなかった。アメリカの堕落を特定の事件や状況のせいにすることはできない。最初からないものを失うことはできないのだ。 「アメリカン・タブロイド」J・エルロイ さて町山さん(id:TomoMachi)の新刊「アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない」を読んだ。 忙しい忙しいと言いつつ、こうして読了&感想文アップをしているのは、この本に収録されている週刊現代での連載コラム「アメリカで味噌汁」をすでにほとんど全部読んでいたからでもある。 町山さんのコラムによって、「アメリカという国に対する見方が変わった」という人は多い。週刊現代連載時にはあの屠畜ルポで有名な内澤旬子さんのイラストが載っていて、最終回だっただろうか、「アメリカは大嫌いだったけど、町山さんのおかげで見方が変わりました」とか、正