システム開発をめぐる当事者間のトラブルは、たとえ裁判には至らずとも、解決への糸口が見えずに長期化しがちだ。特許庁のシステム開発失敗はその一例だろう。 政府が特許庁の新システム開発の中断を発表してから1年あまり。特許庁は2013年3月の段階で、開発ベンダーだった東芝ソリューションとの契約を解除できていない。「契約をどのような形で終わらせるか、現在も協議中」(特許庁)。 政府が契約を解除するには、成果物の対価から違約金まで、金銭の支払いで合意する必要がある。関係者によれば、特許庁を所管する経済産業省と開発ベンダーの間で、2012年前半の段階でこの合意がほぼできていた。だが2012年12月の政権交代後、政府の閣僚から「開発ベンダーに適正な違約金を求めるべきでは」と注文がつき、交渉の行方が見えなくなった。ベンダーとの契約を解除するプロセスや「Exitルール」が明確でなく、プロジェクトを円滑に中止で