生成AIは“ありふれた技術”になっていく
あらためて振り返ると、画像生成AIは、静止画から、動画へ、そして、3Dへとその範囲を拡大しようとしています。来年も、さらに高性能化、高品質化を続けていくことはほぼ間違いないでしょう。
画像生成AIで出せる画像の精度は、まだ人体表現など苦手な部分は残っているとはいえ、一貫性の問題を克服しつつあり、行き着くところまで行きつつあるという印象です。品質的には十分に商用利用に耐えうる水準に達しています。一方で、動画生成AIの急速な性能向上は、進んでいる最中です。生成できる時間がまだ10秒程度と限られている限界があり、これらをいかに安定的に伸ばしていくのかという競争になっていくと思われます。
また、日本国内では利活用を促進するために、生成AIに関連する国の方針の整理も進みました。文化庁「AIと著作権に関する考え方」、内閣府「AI時代の知的財産権検討会 中間とりまとめ」、経済産業省・総務省「AI事業者ガイドライン」と3つの文書が取りまとめられました。国は現行法で対処可能という方針で、実際の運用の段階に入りました。(参考「政府、生成AI推進に向けて議論を加速」)
特に、コンテンツ分野では、7月に経済産業省はこれらの3つの文書を要約して、実際の事業者が活用するためのわかりやすい参考資料として「コンテンツ制作のための生成AI利活用ガイドブック」を公開したりと、周知に努めています。来年は単なる技術革新だけにとどまらず、日本国内での利活用ケースが今年以上に増え、ありふれた技術へと一般化していくことが予想されます。
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