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マンション物件選びのポイント/マンションの内装・設備・向き

結露を防ぐ換気の基本。冬を暖かく快適に!

寒い冬は暖かい家の中で過ごす時間が多くなりますが、暖房した室内で気になるのが窓につく結露。結露を防ぐには正しい換気が大切です。そこで今回は、結露を防ぐ効果的な換気の方法をお伝えします。(初出:2009年12月/改定2018年11月)

井上 恵子

執筆者:井上 恵子

住まいの性能・安全ガイド

皆さんは、寒い冬でもきちんと換気をしていますか?寒い時期は、暖かい家でぬくぬくと過ごしたいものですよね。しかし気になるのは暖房した室内に発生する結露です。濡れた窓ガラスや壁などをほおっておくとカビやシミの原因になり、あまり気持ちのよいものではありません。
窓の結露に目をつぶっていませんか?

窓の結露に目をつぶっていませんか?

厄介な結露を防ぐ効果的な対策は……。答えはとてもシンプルです。寒くても、毎日換気をすること。それでは、換気をするメリットや具体的な方法についてお伝えします。

【目次】
換気をする3つのメリット
換気方法は4種類。まずは自宅の換気方法を確認!
1. 自然換気
1-1. 自然換気の住まいで結露を防ぐ3つの方法
2. 第一種換気
3. 第二種換気
4. 第三種換気
室内の空気を常にきれいに保てる『24時間換気』
 

換気をする3つのメリット

1.汚れた空気を追い出し、新鮮な空気を取り込む
現在の家は「高断熱・高気密」が当たり前になってきています。家をしっかり断熱し、気密性を高めれば、冷暖房効率が上がり、節約をすることができるからです。

住まいの「高断熱・高気密」化は、あまり冷暖房費をかけずに冬は暖かく、夏は涼しく、四季を通して快適に過ごすための住まいの進化といってよいでしょう。省エネ性が求められる今の時代のニーズにも合っています。
 
室内の空気をキレイに保つためにも換気は必要

     室内の空気をキレイに保つためにも換気は必要

しかし、高気密化が進んだ家では自然に空気が入れ替わることは考えにくく、人為的に空気が入れ替わる工夫をしなくてはなりません。適切な換気をすることで、家の中の汚れた空気を外に出し、新鮮な空気を取り込む。これが住まいの換気の基本でもあるのです。

2.結露を防ぎ、カビやダニの発生を防ぐ
換気をして水分の多い空気を外に出し、家の中の湿気を抑えて結露を減らすことは、結露を防ぐ効果的な対策でありカビやダニを絶つことにもつながります。

3.シックハウス対策
家を効率よく建てるために建築部材の工業化も進みました。家の中で使われる部材、例えば壁や床の下地によく使われるべニアや、床仕上げで人気のフローリング、各室に設けられるドア、キッチンセットなども、工場で大量生産したものが多く使用されています。

それらの建築部材にはシックハウスの原因となる化学物質を含む物があることがわかり、住まい手の健康を害する恐れがあるとして問題視されるようになりました。高気密化した家の中では、そういった化学物質をはじめ家の中で発生した生活臭や水蒸気などがなかなか抜けません。そこで注目されたのが「換気」なのです。

それでは次のページで、具体的なご自宅の換気方法を確認しましょう。換気方法には大まかに4種類あり、それぞれ特徴があります。
 

換気方法は4種類。まずは自宅の換気方法を確認!

住まいの換気方法は、自然換気及び機械換気の第一種、第二種、第三種の4種類があります。既存住宅では自然換気の家が最も多いのですが、2003年7月に施行されたシックハウス法により、それ以後の新築住宅では自然換気は認められなくなりました。それではまずはご自宅の換気方法は以下のどれに該当するか確認してみましょう。
 

1.  自然換気

古い住宅のほとんどは「自然換気」

       古い住宅のほとんどは「自然換気」

ドアや窓を開け、室内外の温度差や気圧、風の力を利用して換気を行う方法で、2003年7月より前に建てられた戸建住宅ではほとんどが該当。

寒い日、雨の日などに窓を開けなければ基本的に室内の空気の入れ替えはなし。その時の自然状況により換気量もまちまちになり、計画的な換気は難しい方法です。
 

1-1. 自然換気の住まいで結露を防ぐ3つの方法

自然換気は他の3つの方法に比べると計画的な換気は難しいですが、工夫次第で結露を防ぐ方法はあります。それでは効果的な3つの方法をご紹介します。

1.晴れの日は窓を開ける
晴れた日には窓を開けて換気をしましょう

      晴れた日には窓を開けて換気をしましょう

既存住宅の中では最も多い自然換気の住宅は、天候などの自然環境に左右されやすいですが、結露やカビの防止には、やはり何と言っても「家の中に風を通すこと」。天気の良い日には窓を開け、換気を心がけましょう。

2.換気扇があれば回す
 
キッチンの換気扇

     キッチンの換気扇で空気の流れをつくる

自然換気法の家でも、キッチン、浴室、トイレなどには換気扇がついていると思います。それらの換気扇を回しておけば、どこかしらの隙間から新鮮な空気が入り、窓を閉めていても家の中を空気が流れてくれます。

3.クローゼットの扉は開け、タンスの背中には空間を設ける
換気中はクローゼットや押し入れなどの扉を開けて、空気がいきわたるようにしましょう。空気が流れない場所にカビあり!です。壁との間に空気の流れる隙間を設けるなど、家具の配置にもひと工夫必要です。
 
家具の背面には空間を開けて置いて空気を通す

家具の背面には空間を開けて置いて空気を通す

断熱性の低い単板サッシではどうしても窓周りに結露がびっしりついてしまいます。窓を開けて素早く乾燥させる、水分を拭きあげるといった対応が望ましいのですが、できない場合は、サッシそのものを高性能断熱サッシに取り換える、内側に窓をもう一重つけて二重サッシにするという方法は、窓の結露防止に効果があります。

 

2.  第一種換気

第一種換気法を採用すれば計画的な換気が可能

                 第一種換気法を採用すれば計画的な換気が可能

給気、排気ともに機械を用いて行う換気方法で、もっとも換気を制御しやすい。換気を計画的に行えるため高断熱高気密住宅に適した換気方法。

ただし冬場、せっかく暖めた空気を排気し、冷たい外気を取り込むこと(夏場は逆で、冷やした空気を排出し、暖かい外気を取り込むこと)はエネルギーロスになる。給排気を行う際に熱交換を行う「熱交換型第一種換気」だと理想的。

 

3.  第二種換気

第二種換気法は住宅ではほとんど採用されない

第二種換気法は住宅ではほとんど採用されない

給気のみを機械で行う方法で、住宅ではあまり行われない。

 

4.  第三種換気

第三種換気法を採用している家は、壁に給気用スリーブ(穴)がある

第三種換気法を採用している家は、壁に給気用スリーブ(穴)がある

リビング、個室などの壁につけられた給気用のスリーブ(穴)から給気を行い、取り込まれたきれいな空気は各室のドアの下の隙間(アンダーカット)から廊下に流れ、最後に洗面所など湿気の多い場所に設けらた排気口から外部に機械排気される。

一般住宅・マンション問わず、最もよく用いられる方法。排気は壁に換気扇を取り付ける方法と、天井に換気扇を設け、ダクトで室外に排出する方法がある。
 

給気・排気の両方を機械で行う第一種換気方法を採用すると、空気を取り入れるときにフィルターを通すことで花粉やほこりが室内に侵入するのを防いだり、熱交換器をつけることで省エネ性を高めるなど、さまざまな付加価値をつけることができます。
 

室内の空気を常にきれいに保てる『24時間換気』

新築住宅では24時間換気が義務付けられている

                 新築住宅では24時間換気が義務付けられている

24時間換気システムは、その名の通り、24時間機械制御で給排気を行うことで、室内の空気を常にきれいに保つことを目的にしています。

増えてきた高気密住宅に対応し、現代病ともいわれるシックハウスを防ぐために、2003年7月の法改正で、新築住宅には設置が義務付けられました。住宅の場合、2時間で部屋の空気がまるまる入れ替わるように換気量を設定してあります。

 
今では24時間換気システムの導入が義務付けられましたが、残念なことにせっかくつけられたこの24時間換気システムを止めてしまうケースが多々見られます。理由としては、「24時間つけておくともったいない」「換気の(機械)音がうるさい」などがあるようです。

しかし、基本的にはつけっ放しを心がけましょう。窓が開けられる、自然の通風が得られやすい、という住まいなら、機械換気と自然換気を上手に併用してよりよい効果を得ることができます。

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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