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書評

超絶オススメ!生きるのがグッと楽になる — 人間関係をしなやかにするたったひとつのルール はじめての選択理論 by 渡辺奈都子 [書評]

書評
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「選択理論心理学」という学問というか、物事の考え方がある。

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僕は昨年冬に勝間塾の冬合宿でこの選択理論に初めて触れて、その考え方の素晴らしさにぶっ飛んだ。

この考え方をすべての人が理解して実践すれば、地球上から多くの紛争や殺人、それに憎しみ合う形での別離や親子の不仲などは消滅する。

僕は本当にそう思った。

そして、去年選択理論に触れてから、何冊かの選択理論の本を読んできたが、翻訳書でちょっと読みにくかったり、分厚い専門的な本だったりだった。

「誰でも簡単に手に取れる入門書があったらなあ」とずっと思っていたのだが、ついに出ました、選択理論の超絶オススメの入門書が。

タイトルは「人間関係をしなやかにするたったひとつのルール  はじめての選択理論」だ。

 

人間関係をしなやかにする たったひとつのルール はじめての選択理論渡辺 奈都子 ディスカヴァー・トゥエンティワン 2012-12-26
売り上げランキング : 129

by ヨメレバ

 

著者は渡辺奈都子さん。昨年僕が最初に選択理論の講義を受けた時に講師を担当してくださった方で、日本選択理論心理学会の常任理事も勤められている。

親子、夫婦、恋人や職場の人間関係に悩む人はとても多いだろう。

そんな悩みを持つすべての方に読んでもらいたい一冊。さっそく紹介しよう。

 

 

 

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たった一つのルールを知ろう!

この本のタイトルになっている「人間関係をしなやかにするたったひとつのルール」。

そのたった一つのルールとは何だろうか。

それは、「自分がコントロールできるのは自分だけ」ということだ。

裏を返せば、「自分以外の人間をコントロールすることはできない」ということになる。

 

 

人間関係が悪化する多くの場合、僕たちは自分の価値観を他人に押し付けようとして、相手から反発される。

親が子供に向かって「あなたのためを想って言ってるんじゃない」と叱るが、子供は反発するばかり。

妻が夫に「休みの日ぐらい一緒に出かけてよ」と求めても、夫は「休みの日ぐらいゆっくりさせてくれ」と返し、雰囲気は険悪に。

 

 

僕ら人間は誰でも、相手が自分に何かを強制しようとしたり、操作的に関わってくることに強い不快感を持ち、相手を信頼しなくなる。

ところが僕らはその、相手が不快に思うことを他人に向かっては平気でしてしまうのだ。

この「他人を自分の思うように動かそう」とする心理を「外的コントロール」と呼ぶ。

僕らが人間関係を良くしようと願うなら、自らの「外的コントロール」を手放し、「変えられるのは自分だけ」と思うことが、何よりも大切なのだ。

 

 

 

外的コントロールがすべての不幸を呼び起こす

外的コントロールは、自分が相手を大切に想ってる時ほど使ってしまいやすい。そこが悲劇的なのだ。

大切な子供が道を誤らずに良い学校に入りまっすぐ育って欲しい。

夫と二人で愛情溢れ豊かな時間を過ごしたい。

部下を一人前に育て、部門として会社に貢献し、利益を創出したい。

そんな想いが強ければ強いほど、自分の価値観を正当化し、その価値観に基づく行動を相手に求めてしまうのだ。

これらの想いは人間としてごく自然な「期待」という感情に基づいているのだが、問題は、「自分が願うように相手が行動してくれたらいいな」という想いが、簡単に「自分が願うように行動してくれない相手を許さない」にエスカレートしてしまう点だ。

そしてその思考はさらに「自分は正しく相手は間違っている。間違った行動をしている人間を正しい方向に矯正する権利が自分にはある」と正当化される。

最終的には「間違った人間は自分より愚かで劣った存在なので、罵倒したり罰を与えることができる」となってしまうのだ。

外的コントロールの罠に堕ちている人は、皆「自分は正しい」「相手が悪く自分は被害者だ」という発想に陥っている。

そして外的コントロールを使う人は、人間関係を破壊する致命的な7つの習慣を身につけてしまっている。

「文句を言う」「脅す」「責める」「罰を与える」「批判する」「褒美で釣る」「ガミガミ言う」の7つだ。

この外的コントロールのスパイラルから僕らを救ってくれるのが、「選択理論心理学」の考え方なのだ。

 

 

 

選択理論を身につけよう

僕も含め、多くの人はここまで読んで耳が痛いと感じるだろう。そう、人間は放っておくと無意識に外的コントロールを使ってしまいがちだ。

しかし諦める必要はまったくない。選択理論は学んで身につけることができるもの。選択理論を身につけることで、人間関係はどんどん改善していけるのだ。

選択理論の基本的な考え方は2つだ。

冒頭に書いたとおり、「自分がコントロールできるのは自分だけ」ということと、もう一つは「我々はすべての行動を自分が選択して行っている」ということだ。

そのためには、まずは「身につけたい7つの習慣」を是非実践したい。それは以下のとおりだ。

「耳を傾ける」「励ます」「尊敬する」「受け入れる」「違いを交渉する」「信頼する」「支援する」

もしかすると、これは「単に相手が言いたい放題になって自分は我慢するだけのことか?」と感じるかもしれない。

だが、その考え方は「我々はすべての行動を自分が選択して行っている」という考え方に当てはめると、違った見え方をしてくるだろう。

「責任とは、他人の欲求充足の邪魔をしないで自分の欲求を待たすこと」

「より良い責任とは、他人の欲求充足のお手伝いをしながら自分の欲求を満たすこと」

自分だけが我慢して相手を野放しにするのではなく、相手を外的コントロールしようとせずに、自分の欲求も充足させる。

そのためには、建設的に自分の意見を相手に伝えたり、提案をしたり、交渉をしたりする。

あくまでも動くのは自分。そして変えられるのも自分。でも、人は変わる。

その考え方で、他人と自分の欲求充足を補い合える関係を目指して行くのだ。

 

 

 

操作できる自分と操作できない自分

僕たちは日々生きていくのに、無限の選択をし続けている。

進学や就職・転職と言った大きな決断もあれば、晩ごはんのおかずや夜に観るテレビ番組のような細かいことまで、さまざまだ。

だが、僕らは意外にも気づいていない。僕らにはコントロールできる自分とコントロールできない自分があるのだ。

行動の4つの要素。それは「行為」「思考」「感情」「生理反応」に分かれ、そのうち僕らが自分でコントロールできるは「行為」と「思考」の2つだけだ。

ランニングをするには「走る」という「行為」のほかに「心拍数が上がる」や「汗をかく」といった生理反応が伴う。

「楽しい」という感情は一見コントロールできるような気がするが、実は「テレビでお笑い番組を視る」という行為や、「楽しかった時のことを想い出す」という思考によって感情が動いているので、感情を単体でコントロールすることはできない。

選択できるのは「行為」と「思考」、これを自動車の前輪と考える。ハンドルで操作できる、つまり自分で方向を変えられるのだ。

一方「感情」と「生理反応」は自動車の後輪だ。車軸に固定されていて向きを変えることはできない。

 

 

落ち込む、ガッカリする、怒るといったネガティブな行動を僕らは時としてとる。

これらの行動は、「感情」が占める部分が大きいが、実は僕らは落ち込むことを選択している部分もあるのだ。

自分が望まない出来事があった時、ガッカリして落ち込んでしまう。ここまでは仕方がないことだ。

だが、そのあと部屋の電気を消してじっと座っているというのは、「落ち込み続けるための行為」を選択していることになる。

その時僕らは、「気分転換に映画を観にいく」や「ランニングしてスッキリする」という行為も選択できるわけだ。

湧いてきてしまう感情はコントロールすることができない。

だが、僕らは落ち込みや怒りを継続させず、楽しく愉快な気持ちに向かうための「行為」や「思考」に自分をコントロールすることができるのだ。

操作できない自分を責めたり感情に支配され続けず、自分で自分をコントロールするのは、制御できる「行為」「思考」にフォーカスするのが近道なのだ。

 

 

 

人と自分の違いを知れば楽になる

人にはそれぞれ個性がある。個性とは何かといえば、その人の行動を突き動かす「基本的欲求」の違いなのだ。

選択理論では、基本的欲求を5つの柱で分類している。

「愛/所属」「力/価値」「自由」「楽しみ」「生存」の5つだ。

この本には著者渡辺さんが作成した50項目の基本的欲求のチェックリストが付いている。

このリストに基づくテストをすると、自分が5つの基本的欲求のうち、どの欲求が強いのかが分かる。

僕の場合は「力/価値」「自由」「楽しみ」が極端に高く、「愛/所属」「生存」が低い。

基本的欲求のバランスが極端に違う人は、おのずと行動パターンも異なってくる。

たとえば「愛/所属」の欲求が強い妻と「自由」の欲求が強い夫の場合、妻が「もっと家にいて家族サービスして!」と求めても夫は「俺の好きにさせろ」ということになり、価値観がぶつかってしまいやすくなる。

ここで大切なのは、「責任とは、他人の欲求充足の邪魔をしないで自分の欲求を待たすこと」という選択理論の考え方だ。

自分と相手は違うということを認識し、そして他人をコントロールすることはできないという前提に立とう。

人は一人ひとり一番大切にしている「上質世界」を持っている。

相手の上質世界に入り、相手の価値観を知る。そのうえで自分の欲求を、相手を傷つけたり邪魔したりせずに満たしていく。

人間関係は100か0にはならない。だからこそ、違うのが当たり前であるということを認識したい。

そうすると、人間関係がとても楽になる。

 

 

 

まとめ

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選択理論を学んだからといって、人間が突然神様のようになれるわけではない。

日々満たされない欲求を抱え、家族や職場の人間関係には煩わしいこともあるだろう。

だが、すべての行為は自分が選んで行っていること、そして変えられるのは自分だけであることを認識していれば、僕らの悩みはぐっと軽減されていく。

冒頭にも書いたが、選択理論を実践することは、あなたが一方的に我慢することを意味するのではない。

相手の個性を知り、相手の話を聞き、理解を示したうえで、自分の主張も行い、落とし所を見つけていくのだ。

この選択理論に触れることができて、僕は本当に楽になった。相手との違いを認識すれば、人は優しくなれるものだ。

僕の拙く短いエントリーでは全然紹介しきれていない。

興味を持たれた方は、是非渡辺奈都子さんの著書を手に取ってみてもらいたい。

分かりやすいロールプレイ仕立ての物語になっていて、スイスイ読みつつ何度も「そうそう〜!」「これだ!」と叫ぶことになる。

おかげでこんなにたくさん付箋が付いた。

超絶オススメの一冊!是非読んでみてください!!(^-^)

 

人間関係をしなやかにする たったひとつのルール はじめての選択理論渡辺 奈都子 ディスカヴァー・トゥエンティワン 2012-12-26
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