虫歯治療の患者に催眠作用のある鎮静剤を投与した後、容体観察を適切にしなかったため死亡させたとして、警視庁捜査1課は11日、業務上過失致死の疑いで、「エトー歯科」(東京都新宿区、既に閉院)の元院長で男性歯科医師(71)=世田谷区=、女性歯科医師(53)=文京区=を書類送検した。
書類送検容疑では、2019年11月13日、男性医師が院内で女性患者=当時(57)=に注射で鎮静剤を投与。続けて女性医師が虫歯を治療したが、2人は副作用の可能性があると認識していたにもかかわらず、適切な容体観察をしなかったことで舌根の沈下を引き起こし、翌14日に低酸素脳症で死亡させたとされる。
捜査関係者によると、男性医師は「容体観察もせず、スタッフに指示もしなかった」と容疑を認め、女性医師は「自分はやるべきことをやった」と否認している。
今回の鎮静剤投与は「静脈内鎮静法」と呼ばれ、同院では事件までに約1700件を実施。だが、この方法で通常求められる患者の血圧や脈拍などの数値の確認を日常的にしていなかった。事件では鎮静剤を推奨量の数倍投与していたといい、男性医師は調べに「深く考えていなかった」と説明した。
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◆緊張緩和に有効な静脈内鎮静法 血圧や呼吸の確認が必要
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