上皇さまは23日、91歳の誕生日を迎えられた。確かな記録が残るとされる歴代天皇で最高齢を更新した。宮内庁は近況を文書で公表。体調に大きな変化はなく、10月に右大腿骨(だいたいこつ)を骨折した上皇后美智子さま(90)を気遣いながら、静かで穏やかな日々を規則正しく過ごしているという。
◆食事中は会話を控え
側近によると、誤嚥(ごえん)を防ぐため、食事中は会話を控えてテレビでニュースを見て国内外の動向を確認している。特に今年は地震や豪雨災害に見舞われた能登半島の状況や被災者の生活を心配している。
5月には、太平洋戦争中の1944年7月から疎開した栃木県日光市を訪問。旧日光田母沢(たもざわ)御用邸や南間(なんま)ホテルの跡地などに足を運び、当時の記憶を振り返った。
皇太子時代に「忘れてはならない四つの日」に挙げた沖縄慰霊の日、広島・長崎原爆の日、終戦記念日には、上皇后さまと一緒に黙とうした。
魚類学者の上皇さまはライフワークのハゼの研究に励み、ここ数年はドイツ人医師で博物学者のシーボルトが江戸時代に日本で採集したハゼ類の標本に関する資料を収集している。
2022年7月に診断された右心不全は、状態の指標となる「BNP」の数値がやや高く、少量の胸水がたまっている。薬の服用や水分の摂取制限といった内科的な治療で、比較的安定した状態が続いているという。(山口登史)
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