明日から2025年、巳(み)年を迎える。巳=ヘビは縄のような体つきやうろこに覆われた姿からか、苦手という人は多いが、神の使いとしてまつる神社があれば、研究対象として飼育する人もいる。都内でヘビにゆかりのある場所を訪ねた。
◆「白蛇日本三大聖地」の一つが、品川区にあった
「東京の白蛇さま」として知られる「蛇窪(へびくぼ)神社」(品川区二葉)は白蛇をまつっている。神社周辺の二葉、豊町、戸越、西大井の一部は昔は蛇窪村といい、山口県岩国市、群馬県沼田市とともに「白蛇日本三大聖地」とされている。東急大井町線戸越公園駅は1936年までは蛇窪駅だった。
なぜ白蛇をまつっているのか。鎌倉時代、神社の水場に白蛇がすんでいたが、水場がなくなったため、近くの戸越公園の池に移ってしまった。地元の有力者の夢に白蛇から「元のすみかに帰りたい」とお告げがあり、話を聞いた宮司が池を掘って弁財天社を建立し、白蛇をまつった。ヘビは弁財天の使者とされる。
2021年に境内北側に建て替えられ、己(つちのと)巳(み)の日は祭日として白蛇神楽が奉納される。
神社は生きた白いヘビ2匹を飼っている。雄の「みーくん」と雌の「しーちゃん」で、ともに4歳。権禰宜(ごんねぎ)の須永夏美さんが「おとなしいですよ」と飼育ケースから取り出すと、腕にくるくると巻き付いた。
国の天然記念物に指定されている「岩国の白ヘビ」と同じく、アオダイショウのアルビノ(白化変異)。天候やヘビの体調がよい巳の日は参拝者が観察できるよう境内で展示される。
◆「東洋のガラパゴス」が生んだ黒ヘビとは?
白ヘビだけではなく、黒ヘビもいる。シマヘビのメラニスティック(黒化型)で「カラスヘビ」と呼ばれている。都立国分寺高校(国分寺市)の三部(みつべ)航介教諭(25)に飼育している実物を見せてもらった。
シマヘビは日本に広く分布する毒のないヘビ。体に黒い4本の縦じまがあるからこの名が付いた。カラスヘビと通常のシマヘビを比べると別の種に見える。三部教諭は「伊豆大島のシマヘビはほとんどがカラスヘビ」と説明。同じ伊豆諸島でも祇苗(ただなえ)島(神津島の東の無人島)のシマヘビは黒くならず、海鳥の卵やひなを食べて成長、体長2メートルの個体もいる...
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