子どもが3歳になるまでは、家庭で母親の手で育てないとその後の成長に影響を及ぼすという「3歳児神話」という考え方があります。この考えには科学的な根拠はなく、むしろ3歳までの保育園の利用は、3歳時点での発達を促すとする研究成果を、東北大の研究チームが発表しました。
1998年の厚生白書によると、高度経済成長期の60年代に「3歳児神話」が広まったといわれ、「子どもが3歳になるまで母親は育児に専念すべきだ」との考えが強調され続けてきました。同白書は「3歳児神話には、少なくとも合理的な根拠は認められない」と述べています。
しかし「3歳児神話」について現在でも議論が続いています。実際はどうなのか、東北大大学院医学系研究科の大学院生・金森啓太医師と大田千晴教授らの研究チームが、日本の子ども約4万人の調査結果を分析して調べました。2011~14年の間、環境省の「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」に参加登録した親子を対象にしました。
生後6カ月から1歳の間に保育園を利用し始めて3歳まで継続して通った約1万4千人のグループと、6カ月から3歳まで保育園を利用しなかった約2万6千人のグループを比べました。コミュニケーション、...
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